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手越サイド
母さんの知り合いなら、匿ってもらおう。
そう思い、穂花さんにお願いすると、喜んで家に匿っていただいた。
手越『駆け落ち?(・・?)』
穂花『えぇ、お嬢様は亜瑠都様と一緒に音楽塾で暮らし始め、祐也坊っちゃまがお生まれになったのです。あっ…』
手越『どうしたの?』
穂花『祐也坊っちゃま、驚くと思いますが、落ち着いて聞いてください。実は、あなたには…双子の弟がいます』
手越『双子の…弟!?』
当初は信じられなかった。俺は一人っ子なのに…。
驚いて声が出ない俺に、穂花さんが1枚の写真を持ってきた。
その写真には、穂花さんとスーツを着た俺…じゃないや、俺の双子の弟。
穂花『名前は城山小太郎様。これは、ローレライに入社した時に撮った記念写真です』
手越『どんな弟だった?』
穂花『そうですね…お母様のお兄さんである叔父のお2人や、お2人の奥様方とは、あまり仲が良くなさそうな雰囲気でした。部屋に引きこもる事が多くて。あぁ、私はお嬢様のメイドをやめた後、しばらくして小太郎坊っちゃまの専属メイドになりまして、小太郎坊っちゃまのお世話をしていました。私には親切で仲が良かったんですよ』
手越『そうなんだ…ねぇ、母さんは今、どこにいるか知ってる?』
穂花『聖レジーナ学院という学校でシスターをやっています…あら?そのロザリオは…!』
手越『あぁ、首に着けてるロザリオの事?親父から貰ったんだけど…』
穂花『そのロザリオは、聖レジーナ学院の生徒の証なんです。きっと、お嬢様のロザリオですね』
母さんのロザリオ?親父は何も言っていなかった。
手越『俺、母さんに会いたい!会わせる事はできる!?』
穂花『そうしてあげたいのですが、お嬢様は今、体調を崩されて外に出られないんです…(´・Д・`)』
手越『まさか、病気Σ( ゚Д゚)!?』
穂花『いいえ、大したことはございません』
手越『良かった…(ーー;)』
それから、穂花さんに親父が亡くなって、
俺が音楽塾の塾長になった事、
居候している大我と嶺亜の事など、
色んな事を話したんだ。
そして、匿ってもらって数日後。
穂花『祐也坊ちゃま!』
手越『お、お帰り…どうしたの!?』
穂花さんが慌てた様子で帰ってきた。
穂花『大変です!あの、嶺亜様が…』
手越『落ち着いて!あの子がどうしたの!?』
穂花さんが話したのは、
嶺亜がローレライに誘拐された事だった…。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年7月12日 22時