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大我サイド
大我「…それより､嶺亜はどこ?」
早見「中村くんなら､奥の多目的ホールにいるわ｡人魚の姿のままでね…」
樹「きょも!あれ､嶺亜のブローチと短剣だ!」
女が見せつけるように手にしているのは､
嶺亜の短剣と真珠貝のブローチだった｡
あのブローチが無ければ､陸に上がっても､
人魚は人間になることができない｡
奪ったって事か…!
大我「嶺亜のブローチと短剣､返してもらうぞ(｀へ´)!」
早見「なかなか威勢がいいじゃない｡だけど､簡単には渡さないわ｡はっ!」
ドカン!!
樹「きょも!」
大我「うわっ!?」
女がタクトを向けると､俺に向かって､
紫色の稲妻が来て､樹が咄嗟に俺の腕を掴んで引き寄せた｡
樹「きょも､大丈夫か!?」
大我「う､うん…ありがと…//」
お陰で､稲妻が当たらなくて済んだ｡
早見「当たらなくて､ラッキーだったわね｡次は､こうはいかないわ!はっ!」
タクトを振ってから､俺達に向けると､
紫色の雷で作られた玉がいくつも襲いかかる｡
俺達､人魚は雷に弱い…だったら､吸い取ればいいんだ｡
樹「きょも!危ない!」
樹が叫ぶ中､ゼリーフィッシュ・ハンドベルを手にし､
スティックのような形から2つに外し､
ハンドベルの要領で､リンリン♪と鳴らす｡
数年前､人魚だった俺が湖の底で暮らしていた頃｡
音楽系のイベントで優勝してから数日後に､
女王ファンテーヌから呼び出された｡
大我『お呼びでしょうか､女王ファンテーヌ』
ファンテーヌ『タイガ､来てくれてありがとう｡先日の音楽会は､素晴らしいものでした｡そして､努力の成果がよく出ていましたよ』
大我『ありがとうございますm(_ _)m』
ファンテーヌ『改めて､優勝おめでとう｡あなたに特別な楽器を授けます』
すると､女王ファンテーヌはハンドベル?のような､スティック状のような楽器を手に､泳いできた｡
大我『女王ファンテーヌ､それは?(・・?)』
ファンテーヌ『大昔に存在した､水の精霊・オンディーヌが作ったと言われている､特別な楽器です｡名は､ゼリーフイッシュ・ハンドベル｡演奏だけでなく､武器としても使う事ができます｡私達が苦手な電気も､これを鳴らせばベールが現れて電気を吸いとってくれます｡もちろん､ベールをネットのように扱う事もできますよ｡さらに､暗い場所でもハンドベルを鳴らせば明るく照らせます』
大我『(何て､神秘的なんだろう｡演奏だけでなく､武器としても使えるなんて)』
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年7月12日 22時
