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嶺亜サイド

嶺亜「兄さん、アルバムを見つけたよ!」

大我「本当!?」

ダンボールからアルバムを出して、兄さんに見せた。

大我「アルバムにしちゃあ、薄そうだね(^_^;)」

嶺亜「そーゆーアルバムもあるんでしょ。ほら、見てみよ」

テーブルにアルバムを置くと、ゆっくりと開いた。

大我「高校生の時の塾長と保護者代わりのおじいさんだ…」

嶺亜「うん。校門が写っているという事は、高校の入学式だよね」

1ページずつ開いていき、塾長のお父さんの写真を見ていく。

バンドを組んでいた友人達との写真、高校のクラスの集合写真…。

ほとんど高校時代の時の写真ばかりだ。

大我「あっ、筒を持っているという事は、この写真は卒業式だ。友達と仲良く写っている」

嶺亜「じゃあ、高校の時の写真はここまでかな…」

大我「次のページを捲ってみよう。うん…?」

嶺亜「どうしたの?(・・?)」

兄さんがアルバムのページを捲った時、何か見つけたらしい。

大我「この人、師匠のお母さんじゃない?」

嶺亜「どれ…」

兄さんが指したのは、塾長のお父さんと1人の女性。

もしや、塾長のお父さんの奥さん…。

大我「にしても、綺麗な女性だなぁ。聖母というか、女神様というか…」

嶺亜「兄さん!この人、シスター・ルチアだ!」

大我「へっ!?昨日、嶺亜がレジーナ学院で会ったシスター?」

嶺亜「そうだよ!同じ顔をしてるもん!」

写真には、長くて艶々な黒髪と艶々な唇をした女性。

透き通るような白い肌に、俺と兄さんも言っていた、

女神様のような、聖母のような雰囲気を漂わせている。

俺が出会った時は、シスターの格好だったけどね。

首にはロザリオのネックレスを着けていて、

塾長が着けているデザインのロザリオと同じ。

大我「だけど、城山さんは連絡しても繋がらないって言っていたよ。シスター・ルチアと」

兄さんが言う城山璃蘭さんは昨日、聖レジーナ学院で、

兄さんの写真集の撮影をしてくれた女性カメラマンだ。

実はシスター・ルチアの妹さんで、4姉弟の末っ子であり、

家は聖職者の家系で、聖レジーナ学院の卒業生である。

嶺亜「聖レジーナ学院で働いているって事実も分かったし、この事は城山さんに言った方がいいのかな…?」

大我「ど、どうだろ。言いづらいよな…(ーー;)」

気まずい空気の中、気を取り直してアルバムのページを捲った。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時

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