番外編 先代の塾長のシークレット・アルバム ページ46
※時系列は、第7話から翌日のお話。
嶺亜サイド
嶺亜「兄さん、何これ?(・・?)」
大我「師匠のお父さんへの手紙だよ。差出人の名前、見てみ」
兄さんの写真集の撮影初日から、翌日の日曜日。
この日は俺も兄さんもお休みで、塾長がいない間に、
塾長のお父さんの部屋に来ていた。
部屋に入って早速、兄さんが俺に見せてくれたのは、
何通ものの手紙が入っている黒い箱。
嶺亜「城山…瑠知亜…」
大我「お前が学校に行っていて、俺が仕事のない日にここに来て、師匠のお父さんの事を調べていたんだよ」
嶺亜「っていうか、塾長がいた日はどうしていたの?流石にバレたんじゃ…(¬_¬)」
大我「師匠が生徒とレッスン中に行ったから、バレてないよ。師匠はレッスンしている間、レッスン室に出ないし、あそこは防音だから」
なるほど…。
大我「で、封が切ってあったから手紙の内容を読んだ訳だけど…」
嶺亜「けど…?」
大我「残念ながら、師匠の事は一切書いてなかった!!」
ズコッ!!(嶺亜がずっこける音)
嶺亜「当たり前だよ、兄さん!文通していたのは、高校生の時の間だけでしょ( `ー´)!」
大我「うぅ…そうね(ーー;)」
全く…(ーー;)。
大我「って、手紙の事はいいんだよ!」
いいんかいっΣ( ゚Д゚)!?
大我「棚の中を細かく調べたら、もう1冊のノートを見つけたの!」
嶺亜「嘘っΣ( ゚Д゚)!?」
そう言って、兄さんは以前、俺らが見つけたのとは違う、
古ぼけたノートを見せた。
大我「ちょっと読んだんだけど、どうやら自分の事とかみたいなんだ」
嶺亜「じゃあ、俺らが最初に見つけたノートは、シスター・ルチアと手紙での交流って事?(・・?)」
大我「うん。どうやら、この人も俺らと同じく親がいなかったらしいよ」
兄さんはノートを開き、俺も一緒に読み始めた。
『3月25日 晴れ 僕には親がおらず、天涯孤独の身だ。そんな時、僕に手を差し伸べてくれたのが、優しい老紳士だった。この方は、迷路のような住宅街の中で音楽を子供達に教えている仕事をしているという。同じく音楽好きな僕と気が合い、僕はこの方の家に居候する事になった』
嶺亜「塾長のお父さんのご両親って、どんな人だったのかなぁ。あっ、でも天涯孤独って言っていたし、赤ちゃんの時に施設にいたとか?兄さん、何か知ってる?」
大我「そう言われても、自分の事をあまり話さなかったからなぁ。このノートで分かるかもよ?」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時