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嶺亜サイド
教会での撮影が終わり、昼食の時間になった。
スタッフさんが用意してくれたロケ弁は、港町の食堂で販売しているお弁当だそうだ。
ちょうど2つ余ったそうで、俺とガリさんが貰う事になった。
兄さんはというと、ロケ弁を食べながら城山さんと打ち合わせしている。
樹「きょもはストイックなんだよな〜。飯の時も、仕事の打ち合わせするし」
猪狩「大我様、努力家だもんね」
滝沢「アイツは上手くいかなかったり、演技の指摘をされた時は次の稽古日までに、考えたりして改善しようとしている。実際に、ミュージカルの『エリザベート』の稽古の時もそうだったと、演出家さんから聞いたんだ。マイペースで天然な所は悩む所ではあるけど、改善しようとする努力と律儀で面倒見の良い優しさは、大我の良い所だ(^-^)」
樹「本当にそうっすよね(^-^)」
3人の会話に耳が入らず、黙々とロケ弁を食べている俺。
嶺亜「(この弁当、揚げ物ばっかりじゃん。俺は正直、オムライス弁当を食いたかった…(-_-;))」
心の中で文句を言いつつも、何とか完食。
俺は「ご馳走さまでした」と立ち上がり、
ロケ弁のゴミを捨てに行った。
スタッフ「あっ、預かって捨てておきますよ」
嶺亜「じゃあ、お願いします」
気づいたスタッフさんに言われ、
有り難く、ロケ弁のゴミを渡す。
大我「あの、城山さん。聖レジーナ学院の卒業生なんですよね?」
璃蘭「そうだけど、どうして?」
大我「ちょっと、お聞きしたいことがあって」
兄さん、塾長のお父さんの恋人の事を聞こうとしている。
俺は、そっと近づいて耳を傾けた。
璃蘭「分かることだったら、話してあげるよ(^^)」
大我「ありがとうございます。実は、聖レジーナ学院の卒業生の人を知りたくて。まさか、同じだったなんて驚いたんですけど(^_^;)」
同じ?どーゆー事?
だけど、これでようやく名前が分かる訳ね。
一体、誰なんだ…?
大我「
るちあ…?
俺がさっき出会った、シスターと同じ名前だ。
大我「偶然だけなのかもしれないですけど、瑠知亜さんって、城山さんとはご姉妹なんですか…?」
城山さんは少しの間、黙っていたけど、
やがて、口を開いた。
璃蘭「…そうだよ。あたしの姉。4姉弟の中で1番上で、あたしが心から尊敬する、姉様だった」
城山さんは、塾長のお父さんの恋人の妹さんだった…!
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時