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嶺亜サイド
大我「ちょっと､嶺亜!」
兄さんを連れて､人目がつかない場所にやって来た｡
理由はもちろん､塾長のお父さんの恋人の事だ｡
嶺亜「カメラマンさんに話し掛けようとしたのって､塾長のお父さんの恋人の事を聞こうとしていた?」
大我「(バレてた…)そうだよ｡だけど､スタッフさんに呼ばれて聞けなかった…(ーー;)」
嶺亜「冷静になりなよ､兄さん｡大体､名前を聞いても､カメラマンさんがその人の事を知っているとは限らないよ」
大我「うっ…(ーー;)」
嶺亜「それに､ノートには名前すら書いていなかったんだ｡分かるはずもないじゃん」
出身校が分かったとはいえ､卒業生だと分かった城山さんが､
塾長のお父さんの恋人とお知り合いなのか､どうなのかも分からない｡
嶺亜「兄さん､塾長のお父さんの恋人を探すのは諦めよう｡名前は分からないままだし…」
大我「あっΣ( ﾟДﾟ)!」
嶺亜「な､何…(¬_¬)?」
急に兄さんが声をあげたので､呆れた目で見つめた｡
大我「思い出した…」
嶺亜「何を?(・・?)」
大我「この前､嶺亜と師匠がいなくて､仕事がない俺だけ音楽塾の留守番したじゃん?」
嶺亜「あー､はいはい｡それで?(・・?)」
大我「師匠のお父さんの部屋に入って､ノートを読もうとしたら､ボックスらしき物を見つけたんだよ」
嶺亜「ボックス?」
大我「うん｡開いていたみたいだし､中を確認したら…」
嶺亜「何が入っていたの?」
大我「…何通もの手紙が入っていた｡差出人は､師匠のお父さんの恋人の名前だったんだ」
嶺亜「それ､本当Σ( ﾟДﾟ)!?何て名前だった!?」
俺が食いつくように聞き､兄さんが答えようとした､その時｡
樹「きょも､嶺亜!ここにいたのか!」
嶺亜&大我「樹さん!/樹!」
樹さんは「はぁ､はぁ…」と息を切らしながら､やって来た｡
樹「やっと､見つけたよ｡時間が迫ってきても､なかなか戻ってこないから心配したんだ」
大我「ごめん｡もう､そんな時間なの?じゃあ､戻ろう」
兄さんは残念そうに「はぁ…」とため息をつきながらも､
俺と樹さんと一緒に､音楽室へと戻ることにした｡
あと少しで､名前が分かる所だったのにな…｡
大我サイド
撮影が再開されて音楽室での撮影後､衣装チェンジした｡
今､俺が着ているのは聖レジーナ学院のローブ｡
卒業生の城山さんによると､入学式や卒業式はもちろん､
月に1度行われる教会での朝礼や､授賞式等に羽織るそうだ｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年6月4日 1時
