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嶺亜サイド
嶺亜「…マジで?」
海人の告白に、俺はポカンとしてしまった。
海人が少女漫画家として活動するようになったのは、
今から半年前…つまり今年の1月。
人間の世界に住み始めて、高校に通いながら少女漫画の雑誌で募集している、
漫画コンクールに応募するため、納得がいくまで描き続けた海人。
締め切りギリギリまで描きあげて、何とか完成して応募した所、
4コマ漫画部門で大賞を受賞した。
漫画家になる3ヶ月前の昨年の10月、出版社から連絡が来て告げられたんだ。
海人が少女漫画家になった事をメッセージボトルで伝えられた時は、
俺はもちろん、海人の弟である直樹、親友の瑞稀や仲間達は喜んだ。
もう、湖の底ではパーティーのように騒いでいたね(^_^;)。
なのに…海人が連載している4コマ漫画の雑誌が、休刊になるなんて(´・д・`)。
嶺亜「それで、どうすんだよ?」
海人「その事なんだけど、俺を担当している編集者さんからすすめられたのがあって。これに応募してみたら?って」
海人はテーブルの上に置いてある、1枚のチラシを取って見せてくれた。
嶺亜「海人が連載している少女漫画の雑誌とは違うな。しかも、4コマ漫画部門が無いし」
海人「担当編集者さんが4コマ漫画だけじゃなくて、ストーリーにも挑戦してみたら?って言われたんだ。編集者さんに、たまにダメ出しされるけど、少女漫画のイメージ等の評価はしているんだよね。だから俺、ラブストーリーでやってみようって」
嶺亜「海人の4コマ漫画は、ラブコメ系って言っていたな。今回もそうするの?(・・?)」
海人「純愛系にしようかなって思って。だけど、なかなかストーリー性やキャラクターが思い付かなかった。そんな時、嶺亜が絵画コンクールで大賞をとった絵画を見て、閃いたんだ」
嶺亜「俺の絵?」
海人「そう。絵画コンクールのテーマって、童話のような絵画だっただろ。童話系のラブストーリーを描こうと思ったんだよ」
いや、俺が大賞を受賞した絵、関係なさすぎ(ーー;)。
結局、テーマじゃんかよ。
海人「嶺亜。今度の土曜日、空いてる?」
嶺亜「うん。学校無いから、丸一日」
海人「なら、お願いがあるんだけどさ」
その夜、音楽塾で夕食中での事。
手越&大我「漫画のモデル?(・・?)」
嶺亜「海人の奴、モデルがいないと描けなくて困るからって、僕に依頼してきたんです(^_^;)」
海人の家に来た時の出来事を話すと、塾長と兄さんはキョトンとした。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時