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嶺亜サイド
海人が来ていたなんて、知らなかった…(ーー;)。
絵画コンクールで受賞して、美術館に飾られるという事は、
LINEで伝えたんだけど、よりによって俺と同じ日に来るなんて。
絵画コンクールの展示会を一通り見終えた後、
美術館を後にして、海人が居候しているお店に向かった。
海人「聡は、昨日の放課後に見に行ったんだ。俺より凄すぎって、褒めてたよ(^^)」
嶺亜「あっそ…」
海人「つれないなぁ、嶺亜は(^_^;)」
嶺亜「聡も絵が上手いって聞いたからライバル心、感じたんだよ。ところで、今日は聡と一緒じゃないの?いつも一緒に帰ってるじゃん」
海人「午後から、まっすーさんのお手伝いがあるからって出掛けていった。まっすーさんが作った服のイベントで。だから今日はお店、お休みなんだよ」
嶺亜「じゃあ家には、お前だけって事じゃん」
海人「そ。留守番、頼まれてるからね。夕飯前には帰るって言っていたかな」
海人が居候しているブティック…『ブリエ・エトワール』の左にある、
小さな門を潜って、少し進むと玄関に辿り着く。
いつもはお店から入るけど、お休みの場合は、
ここから家に入るそうだ。
海人「さ、入って(^^)」
嶺亜「お邪魔します」
海人が鍵で玄関を開け、家にお邪魔した。
海人「そういえば、嶺亜はまだ俺の仕事場を見たことがないよね。良かったら、見る?」
嶺亜「漫画を描いている所?」
海人「そ。案内するよ」
階段を上る海人に着いていき、向日葵が描かれた扉に入る。
中に入ると、床には何枚ものの漫画の下書きと思われる紙が散らばっていて、
テーブルには漫画を描くのに必要な鉛筆や消しゴム、
ペン袖にいくつものペン先、インクなどが置いてあった。
嶺亜「(まるで、強盗に荒らされたようだな…(ーー;))」
海人「あー、ごめん!床にある奴、片付けるわ(^_^;)!足元、危ないし」
海人がせっせと、床にある紙を拾っていくと、ポイ!とゴミ箱に捨てた。
嶺亜「おい、海人!それ…」
海人「あれ、失敗した奴だからいいんだ(^_^;)」
アイツ、やっぱり漫画が上手く描けていないのかな…。
この前、送ってきた元気が無さそうなLINEは、そうなのかも。
嶺亜「海人…漫画の事で、悩んでるの?(・・?)」
恐る恐る聞くと、海人は振り返って重く口を開いた。
海人「…実は俺が連載している4コマ漫画が載っている少女漫画の雑誌が、年内いっぱいで休刊が決まってしまったんだ」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時