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手越サイド
今日はレッスン指導はないのに､玄関からチャイムが鳴った｡
前にも､浮所くんのマネージャーさん…今は元マネージャーだっけ｡
その人も､玄関からチャイムを鳴らしたんだよな｡それもしつこくて(ーー;)｡
あの時は窓の外から確認して分かったけど､
今回はディスプレイで確認する事にした｡
玄関には防犯カメラが設置してあるから､誰だか分かるはずだ｡
手越「(中学生ぐらいの男の子かな?顔からして､うちの生徒じゃなさそう)」
とりあえず､玄関の扉を開けると､
全体が白い服を着た男の子が立っていた｡
沈んだような暗い表情で､まるでロボットのよう｡
?「突然､すみません…」
手越「うん?どうしたの?君はうちの生徒じゃないよね?」
?「生徒…?」
この反応だと違うようだ｡
後で､音楽塾の生徒のファイルで確認するけど､いなかった気がする｡
?「あの…俺､悪い奴らに追われているんです…｡匿ってほしいんですが…」
浮所くんが来た時も､ちょっとの間だったけど匿ってあげたんだ｡
手越「でも､悪い奴らって?(・・?)」
?「と､とにかく!お願いしますっ…!」
手越「わ､分かった｡入って」
相当､慌てているようなので､彼を中に入らせた｡
嶺亜サイド
嶺亜「(少年を見て)音楽塾の生徒ですか?」
手越「ううん｡悪い奴らに追われているから､匿ってほしいって」
少しして､塾長が少年を連れてダイニングルームに入ってきた｡
真っ白な服装を着ていて､ロボットのように無表情｡
悪い奴らに追われているのか､笑う余裕がないのだろうか｡
理由を知りたいけど､まずは挨拶からする事にした｡
嶺亜「俺､嶺亜｡高校1年生で､ここに居候しているんだ｡お前は?」
星輝「川��…星輝…｡中学3年生…です」
俺より､1才下か｡
嶺亜「よろしく､星輝｡お前､悪い奴らに追われているって言っていたよね｡どんな奴らだった?」
星輝「えっと…」
それを言った途端､星輝は黙ってしまった｡
嶺亜「覚えていないの?」
星輝「…」
嶺亜「黙ってちゃ分からないよ!もしかしたら､お前を探しているかもしれないし､悪い奴らの特徴とか分かったら警察に連絡するし…」
手越「嶺亜､これ以上は無理だよ｡しばらく､彼をうちで保護しよう」
嶺亜「…塾長がそう言うなら」
ということで､星輝を音楽塾に匿う事になった｡
俺､試験があるんだけどな…(ーー;)｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年6月4日 1時
