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大我サイド
樹「よし、行くぜ!!」
樹がそう言ったと同時に、アクセルを踏み、
車が突進するように、猛スピードで走り出した。
男女「うわっΣ( ゚Д゚)!?」
男女の2人は咄嗟にかわしたものの、猛スピードのままで向かっていく。
星輝「(後ろを振り向いて)あの2人、追いかけてきます( ; ゚Д゚)!」
樹「何だとΣ( ゚Д゚)!?くっ…!」
俺も思わず振り返ると、黒ずくめの男女がこちらに向かって走ってくる。
まるで、『逃走中』のハンターじゃないか( ; ゚Д゚)!!
このままだと、追いつかれてしまうし、
猛スピードのまま走り出したら、免停になってしまう…!
こうなったら…。
大我「樹、止まって!」
樹「な、何で!?止めたら、追いつかれるって!」
大我「分かってるよ!俺が星輝を連れて、お兄さんが保護されている場所に行くから!」
樹「…今、何て!?」
大我「だから、俺が星輝を連れて行くって言ってんの!」
樹「きょも…」
星輝には、たった1人の家族である大切なお兄さんがいる。
俺も、大切な弟の嶺亜がいる。樹だって、大切な弟がいるじゃないか。
大我「俺、心配性だから嶺亜や師匠、樹に友達の事を心配ばかりしてるし、内気で人見知りでネガティブ気質で、すぐに気にするタイプだから、兄として未熟な所もあるかもしれない。だけど、星輝と出会って、悪い奴らに追われていて、お兄さんとはぐれたと聞いた時、お兄さんと再会するまで俺が守らなきゃ!って思ったんだ」
俺よりもしっかりしていて明るくポジティブで、
俺に突っ込んだりと、引っ張ってくれている嶺亜。
人魚だった頃はもちろん、人間の世界で暮らし始めた時もそうだ。
兄として、嶺亜を守ると誓ってはいたけど正直、怖かったんだよ。
だから、俺が守りながらお兄さんが保護されている場所まで連れて行くんだ。
そう決めたから。
樹「でもさ…」
大我「危ない目に合わせたくないからそうはいかない、って言いたいんだろ?」
樹「…っ」
大我「止めても無駄だよ。俺は決めたからね!」
樹「きょも…」
星輝「マネージャーさん、俺からもお願いします!」
大我「星輝…」
会話を聞いていた星輝が、樹に向かって手を合わせた。
すると、樹は口を開く。
樹「…分かった。きょもの頼みなら、仕方ない。気をつけてな」
大我「ありがとう、樹…」
星輝「ありがとうございます!」
樹「確かに、いつまでも車の中にいるとマズイかもな。よーし…」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年6月4日 1時