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『 …Aさん、 』
小瀧くんの声が聞こえる。
『 起きて、Aさん 』
うっすら目を開ければ、眩しい蛍光灯の光が入り込んできた。
揺れてた電車がゆっくり止まる。
なにも分からないまま小瀧くんに手を引かれて、ホームに飛び降りた。
『 …あんまかわええことせんといてくださいよ 』
「 …え？ 」
まだ起きてない目を擦って、小瀧くんの話を回らない頭のなかで流してく。
『 肩使って寝るとか、反則っすよ… 』
薄暗いホームのなかで小瀧くんの顔は見えないけど、照れてることは確かだった。
小瀧くんの寝顔を見ながら、いつの間にかわたしも小瀧くんの肩を使ってしまっていて。
最悪だ。醜態を晒してしまった。
「 恥ずかし… 」
『 かわいかった〜 』
「 ………え？ 」
『 なんもないっす 』
小瀧くんが最初にわたしの肩に寄りかかっていたとは、言いそびれてしまった。
わたしだけ恥ずかしいなんて。年上なのになあ。
『 言うときますけど、ここ終点なんすよ 』
「 え？何で起こしてくれなかったの 」
『 起こせなかったんすもん 』
「かわいかったから」ってもう何回目なの。
わたしはもう恥ずかしくなって、小瀧くんの顔を見れなくなった。
『 …あっちのホーム回って、帰りますか 』
「 …あ、待って 」
「歩いて帰ろう」と消え入るように呟いたけど、二人だけの静かすぎるホームには響いて。
『 …え？ 』
あ、期待させるようなこと言ったかなあ。
小瀧くんは一瞬固まってしまったけど、
すぐに、「もちろんです」なんて笑顔で頷いた。
『 …もしかして、僕と一緒にいたいんすか 』
「 違うかな 」
『 ええ！！そうやないの！？ 』
この感じじゃ、また電車で寝てしまいそうで。
もうあんな恥ずかしい思いはしないように、ただ電車を避けただけなんだけど。
取り合えず温かいココアを買って、二人で並んで歩いていた。
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りぃな - この作品、めっちゃ好きです。小瀧くんの一人称がおれになるときが…何て言うか、やばいです (2020年10月24日 22時) (
レス) id: 6d972d4f2d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - えむさん» ありがとうございます〜！！遅くなってしまってすみません！ (2019年1月22日 23時) (レス) id: dbd2bbadc1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - なんか、花男っぽいですね！たのしいです (2018年9月7日 20時) (レス) id: 3391b849bb (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - ミルキァさん» ありがとうございます〜！！アンチがいるんですけどそう言ってくださる方がいるだけで嬉しいです！(；；)ありがとうございました！！ (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - (さら)さん» ありがとうございます！続きは書く予定はありません(；；) (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓花
| 作成日時：2018年6月10日 23時
