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家の前まで送ってくれた小瀧くん。
わたしは「じゃあね」と手をあげたのに、急に真面目な顔してわたしを見つめる。
『 Aさんのご両親に挨拶させてください 』
軽くお辞儀した小瀧くんは、わたしの横をすり抜けた。
「 は？…ちょ、だめっ、！ 」
無理矢理家に乗り込もうとする小瀧くんを阻止する。
何を仕出かすか分からないから、本当に怖い。
「だめなんすか」ってダメに決まってるし、付き合ってないし。
『 僕、Aさんのこともっと知りたいって思いましたし、明日も明後日も逢いたいなって思いました 』
「 …あ、そう 」
『 よければ明日も、逢ってくれませんか 』
突然すぎるデートのお誘い。
小瀧くんの精神力は本当に素晴らしいと思う。
「 え、ええ？ 」
『 あ、電話でもいいです。声が聞けるだけでも満足なので… 』
「 そっ、か 」
『 最低メールでもいいです。一日一回はAさんとお話ししたいんです 』
すごい真面目にぐいぐい来るから、素直に「ごめん」とは言いずらくて、「そっか」しかでてこなかった。
『 だめなん？ 』
「 …うん 」
『 なんっでなん！ 』
「 年下ってあんまりタイプじゃないの 」
はっきり言ってしまって、少し傷つけたかなあと思いきや、
『 今更過ぎません？…もう遅いっすよ 』
少しふて腐れたように、いままでわたしを見ていた目を、初めて逸らした。
「 どういうこと？ 」
『 僕もう好きですもん 』
彼が一歩前にきたせいで、わたしは見上げなければ見えなくなった。
あっさりと「好き」と伝えてしまう小瀧くんはすごい。
「 …そ、そんなこと言われても 」
『 僕、Aさんのこと諦めません 』
その言葉を合図にして驚く間もなく、そっと触れた唇。
それは一瞬で目をつぶる余裕もなかった。
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「…ちょ、なにすんの！」
勢いに任せて小瀧くんの頬を思いっきり殴ってしまった。
彼の横顔が見えて、やってしまった、と後悔する。
でも、
『 …あかん、こういうの憧れやった 』
なんて小瀧くんは、少し赤くなった頬を手で押さえて、またわたしを見つめる。
「ごめん」と言おうとしたけど、そこまでの勇気はわたしにはなかった。
『 …また明日、逢いに来ます 』
そう言って小瀧くんは、わたしに背を向けた。
精神力が素晴らしい小瀧くんだけど、きっとわたしは振り向くことなんてないんだ。
って、彼の感触を噛み締めて、思った。
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りぃな - この作品、めっちゃ好きです。小瀧くんの一人称がおれになるときが…何て言うか、やばいです (2020年10月24日 22時) (
レス) id: 6d972d4f2d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - えむさん» ありがとうございます〜！！遅くなってしまってすみません！ (2019年1月22日 23時) (レス) id: dbd2bbadc1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - なんか、花男っぽいですね！たのしいです (2018年9月7日 20時) (レス) id: 3391b849bb (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - ミルキァさん» ありがとうございます〜！！アンチがいるんですけどそう言ってくださる方がいるだけで嬉しいです！(；；)ありがとうございました！！ (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - (さら)さん» ありがとうございます！続きは書く予定はありません(；；) (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓花
| 作成日時：2018年6月10日 23時
