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『 …ごめんなさい 』
後ろから落ちこんだ声が聞こえる。
わたしは声すらも出なかった。
『 でも、濱ちゃん彼女… 』
その先は彼も口にしなかった。
「…知ってた」と強がった声は涙声で、震えてしまった。
ただの幼馴染みのはずなのに。
溢れそうな涙を堪えて上を向いたとき、くるっと視界が回って、
小瀧くんの苦しそうな顔が見えた。
『 …もしかして、濱ちゃんのこと好きやった？ 』
「 …そんなんじゃないよ 」
大嘘だ。好きだった。
誰のものにもなってほしくない存在だった。
わたしは小瀧くんみたいに素直に離れないよ。
『 …ごめん 』
「 だから、違うって 」
『 こんなやり方してもAさん傷つけるだけだって分かってた 』
小瀧くんは深く深く反省してる。
人の気持ちを弄んだこと、心の底から後悔してる。
だから「もういいよ」と止めたのに。
『 自分でも訳分からへん。
Aさんだけしか見えてへんくて、でも、Aさんも見えなくなる 』
何が言いたいのかよくわからなくて、小瀧くんの瞳をじっと見つめた。
『 …好きすぎるから 』
返事を待っていたようだけど、さすがに二日連続の告白は困るし、なんて返していいか分からない。
下を向いてしまえば、小瀧くんは苦笑いして、同じように下向いて。
『 なんか買うてきます、待っててください 』
と軽快に駆け出した。
わたしは彼の背中を見送りながら、濱ちゃんに電話をかけた。
お仕事中かなと思ったけど、長いコールの後に呑気な声が聞こえてきた。
濱田「 なぁ、うまくいった？ 」
「 騙したの 」
濱田「 すまんすまん(笑) 」
濱ちゃんがヘラヘラしてるのが、目に浮かぶ。
濱田「 あいつ、ええ子やろ？ 」
「 …いい子だけど 」
濱田「 なんでそない沈んでんの 」
「 いろいろあんの 」
濱田「 お前にいろいろなんてあるんや 」
「 あるわ！ 」
濱ちゃんが小瀧くんのためにしたっていうのが分かったから、もうなんかどうでもいいかなって。
濱田「 あいつも本気なんやから、考えてやってや 」
「 …わかったけど 」
濱田「 ん？ 」
「 わたし、年下苦手やもん 」
濱田「 知らんがな、そんなんは 」
濱田「 もう、俺も暇ちゃうねん。切るで 」
年下なんて恋愛対象外なんだよなあ。
なんてため息を落としたとき、ぽんぽんと肩に手がおかれた。
「 …あ、ありが、
…え？ 」
振り返れば、そこにいたのは小瀧くんじゃなくて。
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りぃな - この作品、めっちゃ好きです。小瀧くんの一人称がおれになるときが…何て言うか、やばいです (2020年10月24日 22時) (
レス) id: 6d972d4f2d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - えむさん» ありがとうございます〜！！遅くなってしまってすみません！ (2019年1月22日 23時) (レス) id: dbd2bbadc1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - なんか、花男っぽいですね！たのしいです (2018年9月7日 20時) (レス) id: 3391b849bb (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - ミルキァさん» ありがとうございます〜！！アンチがいるんですけどそう言ってくださる方がいるだけで嬉しいです！(；；)ありがとうございました！！ (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - (さら)さん» ありがとうございます！続きは書く予定はありません(；；) (2018年8月27日 19時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓花
| 作成日時：2018年6月10日 23時
