雨 ページ15
雨の中再び街に出る。
今度は手ぶらだ。
あの後結局折れてしまったランスロットが傘を持ってくれている。
当たり前のことだが、お互いとても近い位置にいて、時々肩や腕なんかがぶつかってしまう。
その度にぶつかった箇所が熱を帯びるのはなぜだろう？
雨だから気温は低いはずなのに。
街の中は人も犬も魔物もおらず、お互い無言で歩いているため、ただ雨の音だけが聞こえてくる。
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「なあ、A」
しばらく歩くとランスロットが話しかけてきた。
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「その……、何か悩みでもあるのか？」
その言葉に内心ドキリとする。
『え？……いえ、そのようなことは……』
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「そうか？いや、なんだか最近様子がおかしい気がしてな。元気がないというか、悩んでいるというか……
まぁ、何もないならそれでいいんだ。困ったことがあれば相談してほしい。可能な限り協力しよう」
『……ありがとうございます』
はぁ……。
心の中でため息をつく。
自分でも自分がおかしいと思ってはいたが、まさか気づかれているとは思わなかった。
とにかく、早急にこのモヤモヤを取り除かねば。
そもそも原因はいったい……
考え事をしていたからかもしれない。
『っ！きゃあ！』
不覚にも足元にあった石に対応できなかった。
しかも、反射的にランスロットの腕をつかんでしまい……
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「うわっ！」
ドサッ！……………
ーーーーー時が止まったようだった。
私は仰向けに倒れ、その上をランスロットが覆う。
倒れた拍子にお互いの唇が一瞬ふれあって……
その事実にしばらく動けなかったーーー
先に我に帰ったのはランスロットだった。
ぱっと私から離れると、手を差し出して起き上がらせてくれた。
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「す、すまないっ！君の…その……」
『い、いえ！私が転んだりなんてしたから！本当にすみません！』
ﾗﾝｽﾛｯﾄ「いや、俺の方こそ……って言ってる場合じゃないな。随分濡れてしまった。悪いが、走って帰るぞ」
『は、はい！』
……最悪だ。
夜、与えられてる部屋の中で思う。
おかしな気持ちもモヤモヤの原因もわかった。
普通なら解決方法がわかって喜ばしいことだろう。
けれど、今回は違う。
好きになってしまったんだ、ランスロットを。
絶対に惚れてはならない、殺さなくてはいけないターゲットをーーー
これからの「スパイに恋愛はご法度！」2017年6月号→←傘(２)
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おねたん(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます！ほんと少ないですよね泣。ジータとからませるのはあるけど、オリキャラはなかなか…… (2016年11月20日 1時) (携帯から) (
レス) id: 4aa020d7ad (このIDを非表示/違反報告)
あ - グラブルの夢小説は少ないのでありがたい… (2016年11月18日 16時) (レス) id: 541e6415bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おねたん | 作成日時：2016年9月23日 1時
