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卒業してから1年が過ぎた頃、
一度だけよねくんから電話がかかってきたことがある。
『もしもし？A、元気？』
「元気だよ、よねくん。」
『俺、絵をやめて東京に行こうと思う。』
「え・・・、」
『音楽がやりたい、』
「絵、やめちゃうの・・・？もう漫画家にはならないの？」
『うん、A。俺はAの絵好きだよ。だからどんな形でもいいから、ずっと描いててほしい。』
「よねくんっ・・・、」
『元気でね、A、』
最後まで好きとは言えなかった。
あれ以来、よねくんとは会っていない。
よねくんはボーカロイドのプロデューサーとして売れ、
自身でも歌を歌うようになり、気が付けば国民的アーティストになっていた。
私は、高校卒業認定の資格を取り、
美大に進んだ。
そこから海外に行って絵を描いたりするようになり、
有り難いことに、
絵で食べていけるくらいになっていた。
そうだ、私の職業は、画家だった、
あの日、
イタリアから帰ってきて、
地元に用事があって徳島に帰ってた。
雨が降る中、駅のロータリーで父の迎えを待ってたんだ。
目の前で轢かれそうになった子どもを庇って、
咄嗟に、
傘が宙を舞う。
目の前に迫っていたトラックと、
ヘッドライトの光。
そうだ、私、事故にあったんだ。
よねくん、
走馬灯とはこういうことなのかもしれない。
死ぬ直前になって、
やっと素直に、
貴方の手を離したことを後悔した。
貴方に好きと、言えなかったことを、
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いろは(プロフ) - こはるさん» ありがとうございます！嬉しいです(><)また更新した時は見てやって下さい！ (2020年11月30日 21時) (
レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - 気になる展開で更新されるのをいつも楽しみに読んでました。これからも応援してます！ (2020年11月30日 19時) (レス) id: 4c38d7235d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろは
| 作成日時：2020年11月10日 20時
