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夏休みの終わり頃、
高知に連れて行ってもらった。


デート行こうって言うもんだから、
ドキドキが止まらなくて、



あの時あの滝壺で、ふたりしてジブリみたいだって笑ってた。




それから私とよねくんは友達以上恋人未満の関係だった。

あのデートから呼び方がよね先輩からよねくんになった。
私の絵を横で見るのがよねくんは好きだった。


あの大きな体を丸めて、
隣に座ってた。




順調に見えた私たちに終わりがきたのは割と早かったように思う。




よねくんが大阪に行く直前、

よねくんの部屋で見つけた絵。






「よねくん・・・も絵描くの?」

「あーうん・・・俺、漫画家になりたいんだよね。」




恥ずかしくて言えなかったとよねくんは笑っていた。
よねくんは美術系の専門学校に行くと言っていた。



この時の私は、嬉しいというより、
嫉妬の方が大きかった。


初めて見たよねくんの絵は私より遥かに上手で、
遥かに才能があった。





私の絵なんか、







そう思ってしまうほど、よねくんは才能にあふれた人だった。


それが自分をどんどん苦しめた。




だから、別れを告げた。




あの日以来、私は絵を描けなくなった。


何を描いても目の前のよねくんの絵に敵わないと思ったから、






私は、よねくんにとうとう好きと言わなかった。



高速バスに乗る直前のよねくんの手を離して、笑顔を張り付けた。






「ばいばい、よねくん。元気でね。」






あの絵をよねくんに押し付けて、
私はよねくんから逃げたんだ。



よねくんが卒業してからは、
自分が空っぽになるのがわかった。



高校を2年生の途中でやめて、
ずっとひきこもって絵を描いた。



よねくんとは連絡は取らないまま、ずっと。

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いろは(プロフ) - こはるさん» ありがとうございます!嬉しいです(><)また更新した時は見てやって下さい! (2020年11月30日 21時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - 気になる展開で更新されるのをいつも楽しみに読んでました。これからも応援してます! (2020年11月30日 19時) (レス) id: 4c38d7235d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろは | 作成日時:2020年11月10日 20時

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