空っぽな鉢に愛を注ぐ

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1セット目。


スタメン器用はなく、
ベンチで仲間のプレーを見守る。



終盤、俺もコートに入るが、結局1セット目は取られてしまった。






2セット目、3セット目は、日本がとり、セットカウント2-1。






試合中も真剣な表情でコートを見つめるAさん。






今の俺にできることを今の貴女に見てもらいたい。







4セット目は惜しくもカナダに取られ、

5セット目に突入した。







途中まで均衡を保っていたスコアも、
徐々に点差が開いていく。



今、俺にできるすべてをこの会場にいる人たちに見てもらいたい。







ワールドカップ集大成。








5セット目、終盤。


西田のサーブが光り、15-9、日本の勝利で終わることができた。







会場中が湧き上がり、

多くの歓声が聞こえる中、







Aさんは、静かに拍手をしていた。









試合会場はしばらく熱気で溢れていて、


ストレッチを終えて、裏へ戻るとすぐに彼女を探す。




残っててくれてるといいんだけど、







俺に残された時間はあまりに少ない。






だから、






今日ちゃんと貴女に伝えなくちゃいけないと思った。






着替えもすんで、
裏を歩き回っていると、
関係者と話をする彼女の姿が、





何から話そうか、考えていたけれど、



自然と体が先に動いた。

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