檸檬３

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顔を上げると、糀谷さんは、
私を真っ直ぐと見た。









「Aさん、」


「はい。」


「ひとつだけ、貴女の誤解を解かせて下さい。」


「誤解？」


「妻は、君の母親は、離婚の際、君もアメリカに連れて行くつもりでした。」


「え・・・・。」


「そうしなかったのは、君のお父さん。市ノ瀬さんが君と一緒にいたいと、願ったからです。」









『頼むっ・・・この子だけはっ・・・Aだけは、俺が育てる！』


『私は、母親よ！？夕希子も、Aも、連れて行きます！！』


『離婚の慰謝料もいらない、君を責めたりは、しないっ！！だから、あの子だけはっ・・・。』


『っ・・・・、』


『あの子は、









‟私の光なんだ‟









「信じられないだろう、でも、今でも妻は、貴女を愛している。」


「っ・・・・っ・・・っ・・・、！！」


「本当にすまない。私と一緒になることを選んだ彼女は、君の父親にはそれ以上、強く言えなかったんだ。」


「いえっ・・・私はっ・・・・父といれて、っ・・・幸せでしたっ・・・、」


「そうか、君がそう思ってくれているなら、よかった。」









糀谷さんは、姉さんの遺体と共に、
アメリカへと帰国していった。




『今度来るときは、娘として、歓迎するよ。』









そう言い残して、

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