10.旅の終わり ページ33
目が覚めると、真っ白い天井に目がいく。
私、気絶してたのか・・・、
そういえば、‟あの手紙‟・・・・、
「っ！！」
体をガバっと起こすと、私の傍に着いていてくれた中堂さんの身体も、
ビクっとなった。
「お前・・・・、」
「な、中堂さんっ・・・私・・・。」
「・・・言いたいことは、山ほどある。」
だが、と続けた中堂さんは、
私の体をぎゅっと抱きしめた。
「お前は、俺に心配をかける天才だな。」
中堂さんの言葉に、すみません、と呟くが、
心中は穏やかではなかった。
「何で、気絶してた。」
「あ、いや、ちょっと煙を吸ったみたいで・・・、」
「そうか、無事でよかったが、お前ホルマリンだと気付いてて、何も言わなかったな、」
問い詰められて、また、すみません。と頭を下げると、
彼は、言いにくそうに、頭を掻いた。
「高瀬が、自首した。」
「え・・・・なぜですか・・・・？」
「アイツは、殺していないと、白を切っている。」
「っ！！高瀬の自宅には、遺体を解体した後がありましたっ！！ホルマリンのことも、調べがついてるはずですっ！！」
「死体の解体は認めた。ホルマリンもな、だが、
殺してはないんだとよ・・・
中堂さんの言葉に、目の前が真っ暗になる。
どういうことなの、なんで、
高瀬を、殺人で裁くことができないなんてっ・・・・！！
「お前は、しばらく寝てろ、証拠品を燃やしたあの窯に手ぇつっこんだろ？」
「あ・・・、」
包帯で巻かれた右手を見て、
火の中に手を突っ込んだことを思い出す。
「無茶ばかりしやがって、」
「・・・・すみません、証拠品、全部燃えてましたよね・・・・？」
「あぁ、」
「・・・・・・、」
「気にするな。と言ってもお前は気にするんだろうがな。とりあえず、神倉さんからの伝言を伝える。」
「？？」
「しばらく、休め。」
そういうと、中堂さんは、病室を去って行った。
きっと、彼の胸中は、今穏やかじゃないだろう。
憎かった敵は今や牢屋という監獄の中。
手出しをするのは不可能。
しかし、
その相手を殺人で裁けないとしたら、
彼の怒りは、どこへぶつければいいのだろう。
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いろは(プロフ) - 青龍 葵さん» 温かいお言葉ありがとうございます。ドラマついに終わってしまいましたね、、この作品もラストスパートです。最後まで読んで頂けたら嬉しいです！ (2018年3月17日 8時) (
レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - あっという間にドラマ終わっちゃいましたが、どのような最後（完結）になるんだろう？姉からの手紙を読んで気を失ったのかな？とか思いながら、まだまだ完結は先かと思いますが無理のない程度で頑張って下さい！更新、楽しみにしてますｗ (2018年3月17日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！最後まで頑張るので、また見に来て下さい(^^) (2018年3月5日 0時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
りな - うわーー！！！夢主のせつない気持ちがすごく丁寧に書かれていてとても心が折れ締め付けられる思いです。。。これからどうなるのかとても気になります！更新大変ですが頑張ってください！！ (2018年3月5日 0時) (レス) id: 8a0990f49a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろは
| 作成日時：2018年3月4日 22時
