Lemon

●エピローグ ページ39

episode17.5...エピローグ









「打ち上げ花火作ってるときは、DAOKOちゃんと何かあったらどうしようとか思ってた。」






付き合って、1カ月。





彼女は、今だからとあの時の気持ちを赤裸々に語っている。








「え、そんなこと思ってたの、」


「思ってたよー。」


「でも、俺も菅田君には妬いたな。」


「玄師も妬くんだね。」


「まぁ、ね。」









最近やっと板についてきた玄師という呼び方。



好きな人に、名前を呼ばれるのが、一番うれしいと俺は思う。









「あ、でも、灰色と青とLemonは、ずるいと思ったね。」


「そうなんだ。」


「灰色と青、よすぎる。会えないし、感想言えないし、でもカッコイイし。」


「うん、(笑)」


「Lemonは、本当に、毎週ドラマ見て、泣きそうになる。」


「ありがと、すげー嬉しい。Lemonは、ドラマの主題歌として作ったけど、本当は、俺の気持ちだからさ。」


「うん、ありがとう。」


「うん。あ、新曲聞きました。」


「お、どうだった？」


「Aは、天才だ。本当に、」


「ふふ、詞は、彼方だけどね。」


「凄いよ、壮大すぎて鳥肌たったし。」


「嬉しいなぁ。」


「これから忙しくなると思うけどさ。」


「うん。」


「俺、ずっと傍にいるから、」


「うん、何もいらないから、傍にいてね。」









そう言って、笑った彼女を見て、
うん、約束すると、




小指を差し出した。









「玄師。」


「ん？」


「選んでくれて、ありがとう。」


「それは、俺のセリフ。」









おでこをくっつけて、笑い合う。





出会って、5年。









俺は、貴女に会えて、本当によかった。









「離さないでくださいね。」


「うん、」









約束のキスをかわそう。

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