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「お父さん、あそこまで言わなくてもいいのになぁ、」




4人で並んで外でランチをしながら
ロクは、身元が判明した9番さんの父親の話をする。

さきほど、9番さんの遺族の方が遺体の説明を聞きに、UDIを訪れていたのだ。



銃創から判明した身元で、
彼は、前科一犯だったことがわかった。





「ろくでもない息子だったんでしょ。」





と、キッパリと言う夕子さんに、
やりきれない顔のロク。




「ろくでもない息子でも被害者ですよ?・・・真面目に働いてたんだし・・・」





とロクは、ぼやいた。





「ねぇ。」





その空気を壊すかのように、夕子さんは、口を開く。







「恐ろしいことに気付いちゃった。」


「え?」


「うちらって、独身で子どもいなくって、この先両親が死んじゃったら、遺骨どうなんの?」






その言葉に、ロクも私も、ミコトも、顔が強張った。






「無縁仏まっしぐら〜。ははは。」


「うちの親が心配してるのってそういうことかー・・・。」


「ミコトは、大丈夫だよ。最悪、アキくんいるし。」


「え、そういう問題?」


「何言ってんのーAこそ、中堂さんがいるから大丈夫よ。」


「えー…中堂さんの方が先に死にますよ多分。」


「だから、その前に、子ども作るんでしょうが!」


「ないっすねー・・・。」









私の言葉に、いいなぁ、なんて言いながら、
夕子さんは、両親に孫はまだかと、せかされていることを話す。









「孫の前に結婚だっつーの。」


「その前に彼氏ですけどね。」


「うっせー!」







ロクの的確なツッコミに、夕子さんは、悔しそうだ。







「あーでも、このままアメリカに戻って、共同墓地とかに適当に埋めてもらうのもアリかな。」


「え、アメリカ戻るの?」


「例えばって話ね。」


「えーー!?中堂さんは?」


「だから、ないんですってば!」









ミコトと、夕子さんに、そういうと、
折角一緒にお墓入れるのに!と夕子さんは、嘆いていた。






夕子さん、私ね。一緒には、きっとなれませんし、



なっちゃいけないと思うんです。









「アメリカで、静かに死んでいくのもアリかな・・・、」


「日本でもないなんて、切なすぎる!」


「はは、まぁ、それもいいじゃないですか、」


「・・・・私たち、どこへ帰るんだろうね。」









その一言で、4人が一瞬固まったが、

ミコトの、「こっわー!」という声に、






笑いが戻った。

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設定タグ:アンナチュラル , 中堂系 , ドラマ   
作品ジャンル:恋愛
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いろは(プロフ) - ハナさん» わかりました! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - いろはさん» 質問大丈夫ですか? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - あームさん» ありがとうございます!嬉しいです(^^)頑張るのでまた、読んでやって下さい! (2018年2月20日 18時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろは | 作成日時:2018年2月15日 18時

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