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「ごめん、ミコト、許可なくダブルチェックさせてもらった。」
「あ、うん、いいけど・・・。」
「ミコト、中堂さん、もう一度、チェックしてもらっていいですか、」
「・・・・?あぁ、」
「・・・・・もしかして・・・・・これ・・・・、」
「うん、ごめん、ずっと気になってた。でも言い出せなくて、ごめんね。これ、内視鏡手術の痕じゃない。」
「見た経験が一桁だから、確信もてなくて・・・、」
「確かに、完治して瘢痕化してれば、区別はつきにくい、ここは日本だしな。」
「やっぱり・・・、」
法医解剖医3人の話についていけない、夕子さんとロクは、
頭に疑問を浮かべて、ずっと気にしている。
「銃創だね。」
「銃創・・・?」
「拳銃の玉の傷。」
「あぁ〜クソ!!」
ミコトが思いっきり叫び、私たちは顔を見合わせた。
中堂さんに至っては、何故か得意気だ。
「それにしても、よくわかったね、A。」
夕子さんの声に、はい、と苦笑いをこぼす。
「写真じゃ判断できなくてさ、でも三澄班が解剖してるし、言いだしずらくて・・・、」
「言ってくれたらよかったのに!!あたしも、疑問に思った時点で、中堂さんやAに見てもらえばよかった・・・っ・・・ごめんね!」
「ううん、あたしこそ、ごめん。仕事だもんね、友達とか、関係ないね。」
ふたりでもう一度、抱き合う。
ミコトは、耳元で、ありがとう、探してくれて、と呟いた。
「なんで、気付いたんですか、市ノ瀬さん。」
ふたりきりになった廊下でロクが口を開く、
私は、自分の不甲斐なさに呆れていた。
「私、一応、アメリカ帰りだし、銃創のご遺体、見慣れてたからさ。」
「あぁ、そうでしたね。なるほど・・・。」
「あー私の気の迷いのせいだね。遺族に申し訳ない。気、引き締めよ!」
自分の頬を2回ほど叩く。
そんな姿を見ながら、ロクは、自分自身の気持ちも引き締めたようだった。
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いろは(プロフ) - ハナさん» わかりました! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - いろはさん» 質問大丈夫ですか? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - あームさん» ありがとうございます!嬉しいです(^^)頑張るのでまた、読んでやって下さい! (2018年2月20日 18時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろは | 作成日時:2018年2月15日 18時