檸檬 ２

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中堂さんとの話以来、前にも増してロクがやる気を出しているのがわかる。


あぁいう好青年は嫌いじゃないなぁ、なんて思いながら、
仕事を進めていると、

夕子さんが、スマホを片手に話始める。






「ねぇ、火事が起きた雑居ビルの周りで、肝試しが流行ってるんだって、幽霊が出るって、」


「さっそく、オカルト扱いか・・・、」


「幽霊がいたら、解剖室は幽霊で大渋滞だよね！」





とミコトが重い雰囲気を馬鹿馬鹿しいとでも言うように、切って捨てる。





すると、思い出したかのように、六郎が口を開いた。







「でも、被災地でもあったっていいますよね。ほら、友達とか肉親の霊が見えるって話。」


「まぁ、それは、またちょっと違うんじゃない？・・・死んだ人に、もう一度会いたいって思う思いが見させるもの・・・？」








死んだ人に、もう一度、会いたいか・・・、









「願えば、もう一度、会えるのかね、」









そういうと、事務所の雰囲気がまた少し重くなった気がした。









「・・・・あ、あー・・・今のは、忘れてください！あ、うん！忘れて！」









そう言って、事務所を後にすると、
ミコトと六郎は、顔を見合わせる。









何も知らない東海林は、









「誰か、会いたい人でもいるのかな・・・？」








と小さく、呟いた。

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