檸檬 ２

8.遥かなる我が家 ページ38

朝、一番、事務所に顔を覗けると、
ミコトと中堂さんが何やら怪しげに密談していた。



それを横目で見ていた私の隣には、
同じような目で見つめるロクの姿。




そして、そんな私たちの間に入って、
夕子さんは、怪しげな声を出した。







「あの2人、最近距離近くな〜い？」







その言葉に少しドキリとするが、
ロクは、冷静を装い、





「相棒目指してるらしいですよ。」





と答えた。






「相棒？どっちが右京さんかな？」







と、とぼける夕子さんにロクは、






「そういうことじゃないです。」






とあきれながら突っ込んだ。






「六郎もっと頑張んなよ！」





夕子さんは、あまりに冷静なロクに、
一発肩を叩いて、私の方をちらっと見る。






「え、なんですか？」


「いいのー？Aも、仮にも同棲相手の男があんなふうに、堂々とイチャイチャと・・・、」


「いや、別に・・・同棲っていってもね・・・・、」






と困った顔をすると、夕子さんは、






「ほんとに、いいの、アンタたち！」





と2人一緒に肩を叩かれる。


困った顔の私を見て、機転を利かせた、ロクは、








「東海林さんこそ、どうなんです？異性間交流会。」







と夕子さんの近況に話をすり替えてくれた。

グッジョブ、ロク。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す