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誰もいなくなったUDIの事務所。
明かりも消えて、
所長室だけ、ライトの光で照らされている。
「おでん買ってきましたー。あと、ビールじゃなくて焼酎でよかったんですよねー?」
「あぁ、」
「ありがとうございます。市ノ瀬さん。」
「いいえー。たまには、シッポリ乾杯しましょ!」
キャンプ用のバーナーと小鍋で、
おでんを温め直し、
飯盒で温めた熱燗を中堂さんと所長に注ぐ、
「いやーでも、三澄さんの行動力には、目を見張りますねぇ。」
「ミコトは、いつも、ああです。知りたいと思ったら、真っ直ぐなんですよね。」
「先日も、中堂さんと木林さんの後をつけて所沢の葬儀場まで行ったぐらいですからねぇ。」
してやったり顔の所長に、
中堂さんは、目を見開く。
あ、やっぱ、気付いてなかったんだ。
「あれ、その様子だと市ノ瀬さん、気付いてたんです?」
「いえ、気付いてないですよ。ただ、そのあとからのミコトの様子を見る限りでは、何か知ってんのかなーって思ってたくらいです。」
「何で言わない。」
「えー系さんには、忠告したじゃないですか、何度か。」
「あ、気付いてない?中堂さんも脇が甘いなぁ。」
「ほんとですねー。」
「チッ、」
「三澄さんも、一緒に調べるつもりですよ。中堂さんたちが探している例の事件の犯人を・・・。」
あぁ、だからあの時、
『何かできることがあれば・・・法医学者として、何かできることがあれば・・・。』
「あいつは、暇なのか・・・。」
「いいお目付け役ができました。」
「えー…何、監視してんですかー…。」
ふふ、と笑う所長に、
敵わないなぁ、と思いながら、
お酒を注いだ。
UDIでの夜が静かに更けていく。
嵐が来る前の、
静けさのような、
そんな静かな夜だった。
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いろは(プロフ) - ハナさん» わかりました! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - いろはさん» 質問大丈夫ですか? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - あームさん» ありがとうございます!嬉しいです(^^)頑張るのでまた、読んでやって下さい! (2018年2月20日 18時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろは | 作成日時:2018年2月15日 18時