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「警視庁の人間がもう来た!」
「えぇ!?」
エレベーターが開いて、警視庁の人間がぞろぞろと
上がってくるのが見えた。
慌てふためく所長の肩を中堂さんが、
夕子さんの肩を私が持って、デスクより低く姿勢を取らせる。
「立つな!」
「一旦、逃げてください。」
「えぇ!?」
「どういうこと!?」
「今の状況で任意同行に落ちたら、クソつまらん理由で拘留されて、やってもない罪を自白させられる。」
「やってないのに!?」
「死体に慣れてるから、人が殺せるなど何など、訳のわからんクソでちあげストーリーを密室で毎日、毎日、念仏のように唱えられてみろ!クソほどの体力気力根性が無けりゃ挫ける。」
中堂さんの脅しのような本当の話に、夕子さんは少し怯んでしまう。
「東海林、お前、体力、気力、根性はあんのか?」
「どれも全然ない!」
「だからって逃げたりしたら・・・」
「だから、バレないように誤魔化すんですよ!そこは所長の仕事でしょ!」
「えぇ、私!?」
「夕子さんが逮捕されたら、補助金どころか、UDIが吹っ飛びますよ。」
「・・・・。」
全員が息を飲む。
「すみませーん!」
事務所の警視庁の人間の声が響く、
「行け!行け!」
中堂さんは、夕子さんを促すと、
私たちは、すくっと立ち上がった。
「誤魔化すって?」
「さぁ、」
「さぁって・・・」
「こういうの得意でしょ、所長!」
「えぇ・・・。」
所長をふたりで押すと、
私は、中堂さんを引っ張って、所長室に入る。
「お前、心配しすぎだ。」
「・・・・うん、でも、」
「・・・・・・・。」
「系さんが、嫌な思いするのが、嫌だ。」
所長室で聞き耳を立てると、
たどたどしく嘘くさい演技だが、
所長が必死に弁明しているのを聞いて、ふたりで笑ってしまう。
「嫌な役押し付けちゃいましたね・・・。」
「俺も、お前も、向いてない。」
「確かに・・・夕子さん・・・無事逃げてくれればいいけど・・・。」
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いろは(プロフ) - ハナさん» わかりました! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です! (2021年1月7日 14時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - いろはさん» 質問大丈夫ですか? (2021年1月7日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - あームさん» ありがとうございます!嬉しいです(^^)頑張るのでまた、読んでやって下さい! (2018年2月20日 18時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろは | 作成日時:2018年2月15日 18時