檸檬２ (ページ1)

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5.死の報復ページ1

「久部くーん、損傷部の写真おねがーい。」

「はい。」

「頸部に縄状の痕跡あり。」

「はい。」

「久部くーん！」

「久部。」

「久部くーん！」

「久部！」

「あーもう！！あーもう！！限界っす！！！！！」

UDIラボに、久部の叫び声が響き渡った。

「市ノ瀬さんが戻ってくるまでは、解剖の受け入れを減らしましょう・・・。」

「だから、俺は反対だったんだ。」

「でもねぇ、中堂さん、ただでさえ日本では、法医解剖医が少ないなか、地方であんな事件が起きたら人材を派遣しないといけないんです。」

事の発端は、数日前。

『北海道で連続殺人事件！？』

『はい、まだ死因も特定できないですが、ここ数日で実に10件ものご遺体があがっています。』

『10件・・・。』

『地方でこういう事件が起きた場合、地方の法医学者だけでは対応ができません。よって中立機関であるUDIラボにも協力の要請がきています。で、どなたが行きますか。』

『俺は却下だ。そんなことしている時間はない。』

『でたでた・・・。』

『じゃあ、何で決めます？コイントス？あみだくじ？』

『またクソつまらない提案か？俺に解剖件数で並んでからにしろと言ったろ。』

『・・・・・じゃぁ、『じゃぁ、私が行きます。』

『市ノ瀬さん！』

『数日の出張ですよね。死因さえ特定できればすぐに帰ってこれますよね？』

『そうですね。』

『じゃあ、決まりだ。』

その決定に、中堂は、机をバンっと叩いた。

『オイ！俺はいいとは言ってねぇ。』

『アンタが行かないから私が行くんだろ！ミコトは、三澄班の執刀医！アンタも中堂班の執刀医！だから私で打倒でしょ。』

『好きにしろ！』

『あー怒っちゃいましたね・・・。』

『大丈夫です、所長。私が行ってきます。』