檸檬

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「夕子さーん。胃の内容物出たんでしょー？」


「うーん。見てこれ。」


「ふむふむ。肉？あーへー…グリコーゲン値が牛の3倍・・・なんの肉食ってんだ、最後に、馬？」


「そうだよねー…。」


「今から、会議ですか。」


「そうですー。」


「お疲れさまです。」


「A、来ないの？」


「はは、あんまり首突っ込まない方がいいかなーとかなんとかー。」


「あんなにノリノリだったのにー？」


「冗談です。これから別のご遺体の解剖です。まぁ。中堂班ですから、あ、でも手伝えることあったら手伝いますからね！」


「ありがと。」









夕子さんと別れ、
自分の仕事を終える。


縫合を終えた中堂さんに、
後頼む、と言われ、
後片付けをし、







事務所に戻ると、所長と、
男女ふたり組が、通りかかるのを見た。









「誰？」


「例の花ちゃんのご両親じゃないかって、」


「え、身元わかったの？」


「でも、別人でした。一体、どうなるんでしょうね。」


「謎が謎を呼ぶって感じだね。」


「久部くーん、始めるよー。」






ホワイトボードにまとめられた今回の事件。

ミコトの説明を聞きながら、


CO最大値が1800あったとされる部屋が、
警察が踏み込んだ段階では、204まで下がっていることがわかった。









「ほうほう、で、ミコトの見解は？」


「一度、あの部屋の扉を開けた人間がいる。その人間が花ちゃんの遺体を運び入れた。」


「他に犯人がいるってことですか！？」






驚くロクの頭をワシャワシャと撫でる。







「うん、なるほどね。練炭自 殺の遺体は、肌がサーモンピンクなる。凍死のご遺体も同じ。
その特性を知っていた人物が、ネットでこの集団自 殺が行われることを知り、利用した。」


「そう。」


「じゃあ、その人物が、犯人・・・。」


「犯人捜しは、警察に任せて、花ちゃんがどこで凍らされたのかを、調べるのが私たちの仕事！」


「ミコト、わかんないことあったら、手伝うから言ってね。」


「ありがと、A。」

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