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織山side


お風呂から上がると、綾瀬さんがアイスを用意してくれていた。


棒が2つ刺さっていて、パキッと割るダブルソーダというやつだ。


1階の和室で扇風機の首振りの風の方向に体をゆらゆらさせながら食べる。


綾瀬さんは食べながら時々宇宙人の真似をするというとてもベタな事をしていた。


「ワレワレハ宇宙人ダ」に飽きたのか


「織山クンハ宇宙人ダ」などとアレンジを加えてきた。


『残念だけど俺は人間だよ』


綾「織山クンハ人間カ?」


『なんで疑問形なの』


扇風機がまた彼女の方へ向いた時、扇風機に追いつくのがめんどくさくなって


僕は彼女の肩へ寄りかかった。


綾瀬さんは宇宙人ごっこをやめて固まっていた。


『こーゆーのやだった?』


綾「…全然!いや、思ってたより早く織山くんが心開いてくれたな〜と思って〜」


『綾瀬さんに心開いたつもりないんだけど』


綾「またまた〜照れちゃって〜笑」


『…A。』


綾瀬さんの言う通り僕は照れて素直になれなかったから、


名前で呼ぶ事で少しでも自分の気持ちを伝えられたらと思った。


綾「ん?」


『ありがと。』


綾「どういたしまして。」


『…アイスの事だからね。』


綾「はいはい。分かってますよ、尚大くん。」


『っ、』


綾「あれ?尚大くん体熱くない?笑」


『お風呂上がりだから火照ってるだけだし。』


綾「はいはい。笑」


その後雨が小降りになるまで休ませてもらい、


借りたビニール傘で帰ってきた。


『ただいま。』


叔母「おかえんなさい。…尚大くんなにか嬉しい事でもあった?」


『え?』


叔母「なんか今日、ちょっと嬉しそう。」


『アイス、食べて来たので。』


叔母「そう。」


おばさんはその一言でなにもかも理解したというような感じで、優しく微笑んだ。

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ゆに。(プロフ) - とあちさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるととても励みになります!更新頑張ります! (2021年10月2日 0時) (レス) id: d4814ef93e (このIDを非表示/違反報告)
とあち(プロフ) - とっても素敵です!(泣) もっともっと読みたいです!更新頑張ってください♪ 応援してます! (2021年10月1日 10時) (レス) id: eeea52000f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆに。 | 作成日時:2021年9月28日 14時

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