Please tell me**45 ページ47
*
「それでもAを嫌えない…ッ…愛してるよ、A」
と言ってお父さんは自分の指輪を撫でた。
お父さんが泣いているところなんて初めて見た……
お父さん、Aさんの……お母さんの為にこんなに泣くんだ…
お母さんの事本当に心から愛してたんだ…
お祖母ちゃんはハンカチを口元で支えながら時々、目元に運んでいたりお祖父ちゃんは悲しそうな顔をしていたり、お兄ちゃんは一言も喋らないけど泣きそうだった。
私はまだ全然ここに眠るのがお母さんなんだって実感が湧かない。
私には心がないのかな…
と思った時ふと後ろから、
『そんなことないよ』
と優しい声が聞こえた気がして振り返る。
そこにはお墓だけが広がっていて、誰もいなかった。
それがわかったときゾクッとして私はお兄ちゃんに抱き付く。
「どうしたんだよ」
「こ、声…」
「声？」
とお兄ちゃんは首を傾げた。
お兄ちゃん達には聞こえてないの？
じゃあ私の空耳？
でもハッキリした声だった。
どこか懐かしさもある、そんな。
「まさか……」
とお父さんが呟くとふいに立ち上がって辺りを見回す。
「A…？もしかしてここに居るの？」
とお父さんは回りを見ながら言うとふらっとよろめいた。
お父さんは首もとに手を当てて驚いた顔をしている。
「A…なの……？俺霊感とかないから分からないよ」
と言いつつもまるでそこに人が居るかのように話すお父さん。
お父さんには見えているの？
そこにお母さんが居るの？
でもお父さんは次の言葉は何も言わなかった。
お父さんが手を動かしたとき、風が私達の間を通り抜ける。
冷たいけど、暖かい。
そんな風だった。
Please tell me**46→←Please tell me**44
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木戸藍楽(プロフ) - 結衣さん» そうでしたか！大丈夫です！！わざわざありがとうございました！ (2015年12月19日 23時) (
レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 木戸藍楽さん» こちらの手違いでした…汗 すみません!! (2015年12月19日 21時) (レス) id: 5d8cb54828 (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 結衣さん» ありがとうございます！！Ａ……ですか？もしかすると目次ページの上にあるお名前にＡとされてませんか？違ったならどこからＡになってるのかお教えください… (2015年12月19日 13時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - めっちゃいい話ですネ!!あと、名前がずっとAになってるんですけど、どうしてでしょうか… (2015年12月19日 7時) (レス) id: 5d8cb54828 (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 蒼浬さん» 44話は私も辛かったです(笑) 業くんの脆い面を上手く表現出来ているのか不安です……ありがとうございます！頑張ります！！ただ業くんが可哀想に思えてきてなかなか更新する勇気がないんです…(笑) (2015年12月15日 23時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木戸藍楽
| 作成日時：2015年11月27日 23時
