【暗殺教室】お母さんの話をしようか【赤羽業】

Please tell me**07 ページ9

*

「さっきはヒヤッとしたね」


廊下を歩きながら蓮と話す。
それもそうだ。

赤羽さんの入学前に赤羽から連絡があった。
『冬花にAが母親と言うことは間違っても言わないでほしい』と。


「一応この事は赤羽に連絡しておくか…」

彼女が亡くなってから赤羽は一人で二人を育ててきたらしい。
三年の赤羽夏希は数学の担任をしているが、赤羽の息子か疑いたくなる程しっかり者で、僕が担任の赤羽冬花はあの無邪気さがAそっくりだった。

まさにAと瓜二つ。

髪色は赤羽の血なのか赤だけど、目の色、声はAそっくりで最初驚いた。
Aの生まれ変わりなのではないかと。


「そうだね。そうした方がいいよ。それはそうと本当にAちゃんそっくりの娘だったね」
「そうだな」


Aは赤羽と結婚して１０年も経たない内に亡くなった。
葬式の時、赤羽は泣いてはいなかったけど涙の跡はあった。

赤羽の足元には夏希が居て大泣きしていて、赤羽の腕には産まれて間もない冬花が居てこれまた大泣きしていた。
今でも覚えている。

赤羽は一人涙をこらえながら二人の子をあやしていたのを。


「じゃあ僕はここで」
「あぁ」


そう短く返事をして蓮…榊原先生と別れた。


『うわぁぁぁんッ…お母さんッ…！』
『おぎゃぁッおぎゃぁッ』
『あ〜はいはい、冬花大丈夫だからね〜？夏希も男だろ？泣くなって…』

きっとあの時一番泣きたかったのは、赤羽なんだろうな。
あのときの赤羽の声は確かに震えていた。

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