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五話 ページ6

「…美味しい?」

「凄く!赤坂さん、料理上手ですよね、お嫁さんに欲しいです」
お嫁さん、ねえ。
小さく苦笑して、話題を逸らそうと試みた。
こんな年増はさっさと諦めて、別の可愛い子を好きになればいいのに。
せっかく格好良いのに勿体ない。

「ありがとう?…その『赤坂さん』っていうのやめない?あと、敬語じゃなくて良いよ」

「え…でも、」
戸惑う黒羽くんに続ける。

「いいの。黒羽くんと同い年の知り合いが居るんだけど、その子はタメ口だから…敬語って逆に落ち着かないの」

これは、私の雇い主(?)の高校生探偵新一くんのことだ。
新一くん、私のこと年上として認識してくれてないみたいなんだよね…
今は小学生のくせに。
あ、よく見たら黒羽くんと新一くんって顔立ちが似てる。

「…じゃあ、Aさん」

「うん、よくできました」

余計なことを考えている間に、黒羽くんはタメ口を承諾してくれたみたい。
思った通り、この方が年相応な感じで可愛い。

やっぱり私は、この子を恋愛対象としては見られないかな。

「Aさん、Aさん…」

黒羽くんは、カレーをすくうスプーンも止めて私の名前を呟いている。
…嬉しいのかな、彼の口元がゆるゆる弧を描いている。
「なあに、快斗くん」

「え!?な、名前…」

そんな彼の名前を呼んでみた。。
だって、名前呼びと名字呼びなんてなんだかちぐはぐじゃない。

…あ、快斗くん顔真っ赤だ。

「キザなこととか言いながら、快斗くんも高校生ね」

「Aさん!子供扱いしないでください」

「あら、私からしたら子供でしょう?もう、可愛いなあ」

テーブルの向かいに座る快斗くんに手を伸ばし、ぽんぽんと頭を撫でた。

ぼんっと音がしそうなくらいにまた顔を赤くする快斗くん。

私を翻弄するには、まだ早いかもね。

六話→←四話(ご飯編)


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(プロフ) - 13ページのIQ300となってますがただしくは400ですよ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
ルエ(プロフ) - 名前変わってますが作者です、更新ほっぽってた間に暖かいコメント頂いていてとても嬉しく思います。ありがとうございます(まとめてのお返事で失礼します) 飽きるまでは続きを書く予定ですのでこれからもお付き合いください! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 04007d82f5 (このIDを非表示/違反報告)
規那 - 面白いです、この小説で怪盗キッド好きになりました!更新頑張って下さい! (2019年8月24日 9時) (レス) id: a7809f4044 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 好き!!!!!(挨拶)←好きです!!!!!更新無理せず頑張ってください! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです!これからどうなっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい! (2018年9月6日 14時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫乃 | 作成日時:2015年6月21日 4時

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