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十一話 ページ12

「おはようございますAさん!」

「うぁっ!?…あ…おはよう、快斗くん」

翌朝。
いつものように花に水をやるAさんに声をかければ、彼女は肩を跳ねさせたあと、ほんのり頬を赤らめた。

…え?可愛いんですけど。心臓が持たない。やばい。可愛い。

「あ…昨日はごめんね、恥ずかしいところ見せちゃって」

俺が目を見開いて、ときめきを押さえきれずにまじまじとAさんを見つめていると、ふと目を反らしてそんな事を言った。

…成る程、俺の腕の中で大泣きしちゃったのがそんなに恥ずかしかったのか。あーもう、大人っぽく見えて隙だらけなんだよなあAさん!
はにかみながらふわふわ笑うAさんの髪にそっと手を沿わす。
甘いにおいで、さらさら指の隙間から零れる綺麗な髪。
ああもう大好きだ、なんて思いながらゆっくりと口を開いた。

「何言ってんの?俺、Aさんのこと大好きだって言ってるでしょ。…頼ってくれて、嬉しかった」

俺の本当の気持ちを精一杯の笑顔で伝える。
驚いたような彼女は、花が咲いたみたいな綺麗な微笑を浮かべて、

「うん。…ありがとう、快斗くん。快斗くんが居てくれて良かったよ」

なんて。
その言葉に俺の心臓はまた高鳴るんだ。
ねえAさん、期待していいの?…俺、我慢出来ないかもしれないよ。

まるでドラマみたいなセリフが頭をよぎったけれど、駄目だ。
俺はこの人を大事にするって、たとえ報われなくても守るって決めたんだから。

「ん……?」

そんな事を思案する頭を、Aさんの声が急に現実に引き戻す。

「快斗くんのこのにおい、どこかで…」

やべっ。キッドの時に抱きつかれてたの忘れてた!
崩れそうなポーカーフェイスをどうにか取り繕ってAさんの頬に触れる。

「わーお、Aさんったら結構大胆じゃん!」

そんな風に茶化して言えば、とたんに顔を真っ赤にして慌て出す。

「ちが、今のは…違うの!」

…しばらくはこのまま、バレる訳にはいかないな。
気づかれないようため息を溢した。

………………
長いこと不在のうちに殿堂入りとかびっくりです。ありがとうございます。

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(プロフ) - 13ページのIQ300となってますがただしくは400ですよ (2021年3月8日 0時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
ルエ(プロフ) - 名前変わってますが作者です、更新ほっぽってた間に暖かいコメント頂いていてとても嬉しく思います。ありがとうございます(まとめてのお返事で失礼します) 飽きるまでは続きを書く予定ですのでこれからもお付き合いください! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 04007d82f5 (このIDを非表示/違反報告)
規那 - 面白いです、この小説で怪盗キッド好きになりました!更新頑張って下さい! (2019年8月24日 9時) (レス) id: a7809f4044 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 好き!!!!!(挨拶)←好きです!!!!!更新無理せず頑張ってください! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです!これからどうなっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい! (2018年9月6日 14時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫乃 | 作成日時:2015年6月21日 4時

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