アリス（MJ）>>1 ページ2
マグノリアにサイレンが鳴り響く。
遠方には煙や火の手が上がっていた。
隣の家が燃え、人が焼ける匂いが酷く鼻に残る。
真っ黒に焦げた「何が」が窓から見える。
「なんの話をしていたっけ？」
床には零れたブランデーと
崩れ落ちた自分。
ーーーーーーーーーーーーーー
珍しく閑散とするギルド。
いつもなら誰かしらいて、
ワイワイと盛り上がってる頃だが今日は
カウンターにいるミラちゃんだけ。
マックス「あれ？他の奴らは？」
ミラ「あら、おはようマックス。皆仕事に行ったわよ」
ニコニコと、挨拶をしながら教えてくれる。
マックス「全員……？」
ミラ「ギルドに来た皆に、指名が入っちゃって…」
そんな事もあるのか、と呟き、
自分も仕事に行くかとクエストボードを見る。
………………ロクな仕事がない…………
「コレとかええんとちゃう？」
視界に突然一枚の依頼書。
マックス「ちょ、ジャッカル、見えない見えない。」
自分でやった事なのにケタケタと笑う俺の恋人。
少し距離を置かれた依頼書に目をやると
*討伐依頼 上級向け 命補償無し*
…………
マックス「え？無理だけど」
ジャッカル「これぐらい余裕やろ……んあ？」
ジャッカルの右目が怪訝そうに、細くなる。
マックス「どうした？」
ジャッカルが見ている依頼書に改めて目を通す。
そこには
*悪魔討伐*の文字。
ジャッカル「まさか、な。」
ジャッカルの口からは小さくその一言だけが零れた
ーーーーーーー
結局依頼自体はジャッカルが受け、
俺が着いていく形になった。
珍しく「行く」と、一人でも行くと言っていたので
心配になり着いてきた。
コイツに限って手こずったりとかは……ないだろ。
いつもなら依頼に向かったり、帰るとき
2人で馬鹿みたいな話をする。
今日は珍しく、ジャッカルが黙っている。
というよりは、真剣に考えてる。
マックス「お前も考えるんだな……」
ジャッカル「…………」
集中力が凄い、いつもならツッ……
ジャッカル「いや、失礼やからソレ。」
気だるげに顔をこっちに向けて来たかと思えば
淡々としたツッコミ。
マックス「つまんねえの、」
ジャッカルはまた前を向き「知らんわ」と呟いた。
依頼主の家が近くなる、
ジャッカルは指名手配されている為、一度立ち止まり身嗜みを整える。
魔法で獣耳と尻尾を消し、目の斑点と鼻を肌色にする。
念には念をと、マントのフードを深くかぶる。
ジャッカル「ほな依頼主んとこ行くわ」
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作者名：鯱 | 作成日時：2017年12月15日 1時
