ラブコメ要素などなかった。 ページ21
｢…………は？｣
エースが、めいっぱいに目を見開き、口をぽかんと開ける。
その横でサボが少し目を見開いたあと、頷いた。
｢いやぁ、正直さっきからその線もあるんじゃねェかとは思ってたんだよなァ。と、いうことは……おいエース、やっぱりAって女じゃねェか！｣
そりゃね。サボくんとは1回しか会ってない訳ですし、｢恩人｣という括りの中にいても、別に私が死んだところでメチャクチャ悲しんだ訳でもないだろうから、こんなもんだろう。
それより、横のエースが、あのう……。
『いや、あの、まじでごめんね？前回も死んだと見せかけての生きてました！だったもんね。いやぁ、ほんとスマン。』
彫刻のように固まるエースの目の前で、おーい、と手を振る。
｢おん、な？｣
『あ、そこか。そう、女なのよ〜。ごめんね黙ってて！』
チャッと片手を顔の前に出し謝る。
そんな私の飄々とした様子に、エースは、はっとした顔をした。
｢おまえ、ほんとに、ほんとに生きてんのか？！｣
『足あるよん。みる？』
スカートを軽く捲ろうとすると、ヤメロ！とエースが慌てて止めた。
｢なんだってんだよ……サボも生きてるし、Aも生きてるし、意味わかんねェよ！！｣
｢おいおいエース、お前が言いてェのは、つまり、生きてて良かった、ってことだろう？｣
サボのその言葉に、エースがガバッと立ち上がると、その勢いでガッと抱きしめられた。
『わお。』
｢もう男だろうが女だろうがなんだっていーが、おまえ、今まで何してんだよ……！ずっと、みんな、お前はもう死んだと……！｣
抱擁がアレ。完全に女に対するやつじゃない。キュン要素の欠けらも無い力強さ。だけど、まあ、いまは、黙って抱きしめられとくか。
手をエースの背中に回し、子供をあやす様に、ぽんぽん、と軽く叩く。
『うん。ごめんね。本当にごめん。色々あってさ、会いに行けなかったの。』
そう言うと、エースはバッと離れて気遣うように私の体を見た。
｢そうだよな、怪我はもう治ったのか？！青雉に、腹を貫かれたんだろう！｣
『あー、大丈夫！元気ぴんぴん！』
そう言ってガッツポーズを作って笑う。ってなんかエース目赤くね？
｢さっきサボのせいで泣いたから緩んでんだよ！こっち見んな！｣
『わーってるって！』
わしゃわしゃとエースの頭を撫でてると、苦笑いの含んだような声が横から掛けられた。
｢おふたりさん、そろそろアッチもやべェ。｣
…………あ。
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サクラ - 久しぶりに見に来たら、話が更新されていて涙出ました。作者さんのお話ずっと待ってます！お体に気をつけてください！ (9月17日 21時) (
レス) @page42 id: bb281b0fcf (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - 当時からずっと追ってました。もうこちらの世界にいらっしゃらないかもしれませんが今でも続き待ってます。 (2023年5月7日 2時) (レス) @page41 id: 2f5b0dd3f0 (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - ワノ国編楽しみにしてます！ (2022年11月17日 2時) (レス) @page42 id: 0eef4a91ab (このIDを非表示/違反報告)
わいと - 思わず何度も一から読み返してしまうこの作品......私、この小説にめっちゃドハマりしました！！！ワノ国編編、とても楽しみに待ってます！！！ (2022年10月22日 21時) (レス) id: b45b455b48 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - ほんっとにめっちゃ面白かったです！！！！！ (2022年7月11日 23時) (レス) @page42 id: fd58af60f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年3月26日 19時
