敵は背後にあり ページ16
「ところでお嬢さん、どこかでお会いしましたかねェ…」
『ああ、少しだけ。前にちょっと道端でお話しましたね。』
「あの時のお嬢さんでしたかい、いやァ毎度毎度申し訳ないですねェ。」
いえ、と顔の前で手を振ったところで和やかムードから一転、ピリ、とした空気があたりを包んだ。
「お嬢さんは……海賊ですかい？」
仮面をつけた素顔の見えない女。まあ外見は藤虎さんには関係ないだろうが、無名も無名の普通の女。のくせに、ドフラミンゴからあんな扱いをされる女。
周りも気になっていたのだろう。
こちらを伺うような雰囲気が、あたりを包み込む。
『いえ、』
「それならよかった。あっしもお嬢さんとは戦いたくねェもんだ。」
そうだね、私もできることならば、戦いたくない。
でも────
『海軍が、麦わらの一味やトラファルガー･ローの邪魔をするというのならば、私はあなたたちの敵に回ります。』
そうこなくちゃ、と後ろでお兄ちゃんズが笑った。
「麦わらの一味は随分と味方が多いもんだ…」
『あの人たち、人をたらしこむ天才ですもんねぇ』
へらりと笑ってそう返した。次の瞬間、目の前に迫る刀。うおっと、と慌てて刀で受け止める。
「お嬢さんは……敵に回ったら厄介でしょうねェ。」
『ハッハッハ若輩者ゆえ全くそのようなことはありませんよ！！』
こっわこいつ穏健そうな顔してやりやがる……！
刀が交わってるところから、ドスンと重みがかかった。これが、重力か…！……まあ、少々体が重いが、しかーし……！
『効かーーーーん！！！』
「？！」
いやあこれ一度は言ってみたかったんだよね！というテンションでぐうん、と重力を振り切るようにジャンプして後に下がる。
「動けるはずが、ないんですがねェ…」
その瞬間、ごおっと炎柱が藤虎に向かう。重力によってか向きが変わった炎が、空に散る。
『エースありがとう！！』
うしろを振り向きかけて、視界が肌色に染まる。
『え、』
その瞬間、なんとなく狭かった視界が、一気に開けた。
エースの手にある仮面。…ということは…。
────油断してた…！
イヤでも待てよ、錦えもんとかの馬鹿みたいな変装に気付かないんだよ？この世界の人達。
2年前の私の顔なんて、映像だって残ってないのに、雰囲気だって変わって化粧だってしてるのに、分かるわけ───
だが。エースの目が大きく、見開かれる。
「A………？」
そして、そう、呟いた。
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サクラ - 久しぶりに見に来たら、話が更新されていて涙出ました。作者さんのお話ずっと待ってます！お体に気をつけてください！ (9月17日 21時) (
レス) @page42 id: bb281b0fcf (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - 当時からずっと追ってました。もうこちらの世界にいらっしゃらないかもしれませんが今でも続き待ってます。 (5月7日 2時) (レス) @page41 id: 2f5b0dd3f0 (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - ワノ国編楽しみにしてます！ (2022年11月17日 2時) (レス) @page42 id: 0eef4a91ab (このIDを非表示/違反報告)
わいと - 思わず何度も一から読み返してしまうこの作品......私、この小説にめっちゃドハマりしました！！！ワノ国編編、とても楽しみに待ってます！！！ (2022年10月22日 21時) (レス) id: b45b455b48 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - ほんっとにめっちゃ面白かったです！！！！！ (2022年7月11日 23時) (レス) @page42 id: fd58af60f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年3月26日 19時
