夕べには白骨。 ページ6
私に銃を押し付けてる方じゃない男が即座に銃をドアの方に向けた。
そちらを見ると、私の名前を呼んだのは、ここの四番隊長───サッチさんだった。
ぴたり、と時間が制止したかのようにみんなが動きを止めた。
頭に銃を押し付けられて抑え込まれてる私。
ナイフを両手に持ったサッチさん。
そんなサッチさんに銃を向ける男。
「動いたらコイツを殺すぞ！！」
私を抱えた男が叫び、ピリ、と張り詰めた空気が流れる。そんな状況のなかで私は、ひたすらに運の悪さを呪った。
( あーもう、よりにもよって… )
なんでサッチさんなの。
とても良くしてくれた人。いつも笑顔で話しかけてきてくれて、おいしいご飯を作ってくれて。
だけど、きっと助けにきてくれたであろう彼に真っ直ぐ助けを求められないのは、床に無造作に投げられた本のせい。
もし、あれが全て「異世界人の利用価値」のためだったら、という怯え。
「おい…手ェ放せてめェ…」
サッチさんの、見たことないような怖い顔、そしてドスの効いた低い声。
いつもヘラヘラと笑っている陽気な彼の姿はどこにもない。ただ、ひたすらに獣のような恐ろしさを纏っていた。
「四番隊長じゃねェか！ソイツが手出してこねェってことは…やっぱり使えるな、この女！」
頭に押し付けられた銃によりいっそう力が加えられて思わず顔が歪んだ。恐怖とかいう問題じゃなく物理的に痛い。めり込みそうなんですけど…。
「なーにが "私はこの船にとってなんの価値もありません " だ！なぁお嬢ちゃん？」
少し目を見開いたサッチさんが、こちらを見る。
「んなこと言ったのかA」
「健気でいいこった！遊んでやるのもいいかと思ったんだけどよォ……」
男が、にやりと笑う。
「テメェら何もしてねェだろうな？」
「さぁな？」
サッチさんが怒りをおもむろに表した。あ、やばい。素直にそう思う。
いくらサッチさんでも、引き金を引けば死ぬであろう私を助ける、というのは厳しいだろう。しかも１対２。
お願い、私を助ける価値なんてないから。だから、
『サッチさん！私のことはいいので、』
───逃げてください！
そう言おうとしたのに気づいたように、私が言葉を言い終わるよりはやくナイフをもったサッチさんがこちらに動いた。
それと、サッチさんに向けられた銃の引き金が引かれたのは、同時だった。
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xxxxxers(プロフ) - 本当にワンピースミリしらでタグにトリップと書いてあったので興味本位で見てみたんですけどなんとこんなに面白くて考えさせられるお話だとは！！！もう本当にあとがきで書いてあることって事実だなーって思って涙が止まりませんこんな素敵なお話ありがとうございました (4月27日 22時) (
レス) @page50 id: 13f4a23a05 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - お話自体も泣けるしあとがきで追い討ちかけてきた…最高すぎる作品です…‼︎ (2月28日 22時) (レス) @page50 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - この話凄く好きです！最後の方泣きそうになりました笑他の作品も読んでみたいなって思いました！ (2月3日 6時) (レス) @page50 id: 8f0b2947d1 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ - すんごくよかったです！ワンピースの作品を読んだのは初めてなんですけど、面白かったです！夢主ちゃんの優しいところがすごく好きです！ありがとうございます！ (9月2日 12時) (レス) @page50 id: 97a54b5f8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 何年も前に読んだこの作品の内容をふと思い出して、必死に検索し続けてようやく再会出来ました。最後に読んでからこんなに年月が経っているのに、また読みたいと思わせてくれるような作品を作ってくれて本当にありがとうございます (8月7日 0時) (レス) @page50 id: 0f8f6ed9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちチーズ
| 作成日時：2018年2月3日 9時
