【ONEPIECE】ストックホルム・シンドローム【トラファルガー・ロー】 (ページ8)

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あの後。
トラファルガーに協力することを決めた私は、船内の一室に軟禁されていた。

「協力関係になったからといって、自由に歩き回らせるわけにはいかねェ。そこで大人しくしてろ」

アイツはそう言うと、どこかへ行ってしまった。

私は小さくため息をつく。
なんでこんなことに……

先程、この船は現在マリンフォードへ向かっていると聞いた。
きっと……来たる戦争で何かしら行動を起こすつもりなのだろう。

そこで海軍とコンタクトを取れればいいけど……

そんなことを思っていると、突然扉をノックする音が響いた。

「よ！」

隙間から女性が顔を出す。

「飯持ってきたよ！食える？」
「あ……はい。いただきます」

そういえば今朝から何も食べていなかった。
ありがたく頂くとしよう。

「アンタ名前は？」
「Aといいます」
「そっか。アタシはイッカクってんだ。よろしくな！」

イッカクさんはそう言って笑った。
笑顔が素敵な人だ。

「……おいしい」
「おっ！嬉しいねェ、それアタシが作ったんだ！」

彼女はこの船のコックらしい。
ご飯を頬張る私に、イッカクさんは嬉しそうに言った。

「いやァ船長が“この船に海軍を乗せる”と言った時にゃ驚いたが……なんだい、可愛らしいモンじゃねェか」
「かっ、かわ……ッ？」

思わずむせ返る。

「あァいや、悪い意味じゃねェよ。この船に女はアタシひとりだからさ……女同士、仲良くやろうぜ！」
「はい……」

思わずそう返事をして、いや待てこの人も海賊だと思い返す。
だけど……悪い人には見えなかった。
いやいや！海賊に良いも悪いもあるか！

「それにしてもアンタ、その若さで将校ってやるじゃないか。歳いくつだい？」
「今年で18です」
「18！？すげェ……」

感心したように目を見開くイッカクさん。

そ、そうかな……？
無意識に頬を掻く。

すると、突然衝撃の事実を口にした。

「実はさ。アタシ、昔は海軍だったんだ」