【ONEPIECE】ストックホルム・シンドローム【トラファルガー・ロー】 (ページ3)

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「船から落ちたのかは知らんが、気を失ってたしひどい怪我だったからな。手当したまでだ」
「ウチの船の医療設備はトップクラスなんだぜ！」

見ると、腕やら脚やら至る所に包帯が巻かれている。

そういえば……確かシャボンディに着いてすぐ、船上で戦闘になって……
……そうだ、大砲で吹き飛ばされたんだ。

「能力者はカナヅチだもんなァ。ま、溺死しなかっただけ良かったな」
「……助けていただいて、ありがとうございました」

そう言うと、彼らは目を丸くした。

「お、おう。素直だな」
「ですが、それとこれとは話が別です」

海賊に助けられたのは屈辱だけど……ここは礼を言うのが筋だろう。
だが、このまま素直に捕まっているわけにもいかないのだ。

「オレらは反対したんだけどな……海軍なんざ助けてもロクなことねェ、って」
「ああ。でも船長が言うなら仕方ねェ」

彼らはそう言って、当のトラファルガーを見やる。

この男が人助けなんてするようには見えないけど……もしかして本当はいい人なのか……？

「中将クラスは想定外だが……手負いの女海兵なんざ、いくらでも利用価値はある」

前言撤回。最悪だ。

睨む私をよそに、トラファルガーは続ける。

「さて……本題だが。まず、シャボンディでの戦いで俺の刀はこのザマだ」

彼の視線の先には、真っ二つになった刀が立てかけてある。

「お前の能力、さっき見せた他にまだあるだろう」
「！？どうして……」

私の能力は大きくわけて“もうひとつ”ある。
けど、なぜこの男がそれを知ってるんだ……？

……まさか。

青ざめた私に、薄ら笑いを浮かべたトラファルガー。
そして、とんでもないことを口にした。

「死にたくなけりゃ＿＿＿俺の刀になれ」