【ONEPIECE】ストックホルム・シンドローム【トラファルガー・ロー】 (ページ15)

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#15 ページ15

「トラファルガー・ローです！！」
「先日“天竜人の一件”で取り逃した、麦わらのルフィと共犯の海賊！！」

突如現れたハートの一味に戦慄がはしる。

「急げ！2人ともだ、こっちへ乗せろ！」
「船長！！沖から軍艦が回り込んで来ます！！」

海軍の戦艦による容赦ない砲撃。
高い波に足元が揺れる。

……やむを得ないとはいえ、同胞に砲口を向けられるのは複雑な気分だ。

麦わらたちを抱えるバギーを、無数の砲弾が襲う。

「よしっ！任せたぞ馬の骨どもォ～！」
「受け取れジャンバール！」

放り投げられた彼らを受け止め、担架で船内へと運び込む。
だが、そんなローたちを見逃す大将ではない。

「クソ……ッA！」

そう私の名を呼び、手を伸ばすロー。

……私は躊躇った。

ここで彼の手を取れば、それは＿＿海軍への裏切り行為と見なされるだろう。

だけど私はローに協力すると言った。
彼は私を敵ではなく、協力者として扱ってくれている。

同じ標的を追う者同士。
半ば強制的とはいえ、一度は承諾してしまったこの関係。

海軍と海賊。

私は、わたしは＿＿＿！

「そこまでだァァ～～～！！！」

突如戦場に響き渡った一声。
たったひとりの海兵の声に、誰もが一瞬動きを止める。

吐露される叫びに応えたのは、かの四皇＿＿赤髪のシャンクス。

予想外の赤髪海賊団の登場に、大将の動きが封じられる。
逃亡するには絶好のチャンスだ。

「キャプテン！四皇珍しいけど早く閉めて！！」
「……ああ」

船内へと駆け込むクルーたち。
そんな中、何かを叫びながら向かってくる人影に目をこらす。

「忘れモンだとよ！受け取りやがれェ！」

バギーはそう言って麦わら帽子を投げつけた。
その時。

ひとりの大将が立ち上がる。

「逃がさねェよ。“氷河(アイス・)＿＿＿」

「クザンさん！！」

「！おい、待ッ＿＿＿」

身体が勝手に動いていた。
気づけば、私はローを振り切り甲板へと飛び出していた。