うそつき ページ11
「けどまさかこんな所で海賊王のクルーと会えるとは、驚いた」
腕を組み、ふとフランキーが独り言を呟く。
「それに悪女も手に入れちまったしよ」
そう言ってAに視線をやる。そんな彼にAはムスッと頰を膨らませた。
「何よ、いいでしょ悪女でも嘘つきでも八方美人でも」
「そこまで言ってねぇから」
コイツそうやって可愛い表情してればもっと好感度上がるのにな。ウソップは冷静にツッコミを入れながらそんな事を考える。
「それより」
Aは一歩前に歩いている剣士に視線を走らせた。
__ねぇゾロくん、貴方って三刀流なのね、すごい。きっとこの一味の中でも強い方なんでしょう?頼りにしてるわ。
そう囁いて、ゾロの肩にやらしく触れるAはやっぱり悪女だった。
「おい、離れろ」
「釣れないのね」
そんなAにウソップは眉を吊り上げた。
「おい!ゾロを落としにかかるのはやめろ!」
「……」
ああ、騒がしい。
「あ」
すると今度は船長のルフィが口を開いた。全員が彼に注目する中、ルフィはクルリと振り返り満面の笑みを見せる。
「なぁ遊園地いかねぇか!?Aも行って見たいだろ?遊園地!」
「は」
彼の発言の一言一言が予想外すぎて、どう返して良いのか分からない。
「「黙ってろオメェは!」」
「オメェ状況わかってんのか!?」
フランキーとウソップは目を怒らせた。
「状況って?」
Aは一人疑問を抱く。
「はぁ!?お前もアホなのか?さっき店ん中で話ししてたじゃねぇかよ!」
「アホって失礼ね。あと私、興味のある事しか耳に入らないの。今は興味があるから聞くわ。教えて」
「お前そんでよく詐欺師になれたな」
「うるさい」
・
「天龍人を殴った…?」
Aは驚いてきょとんとする。
「それほんと?」
「そうだっつんでだろ!」
フランキーは怒鳴り疲れたのか「はぁはぁ」と息を上げている。
天龍人を殴るなんてバカじゃないの?
…ああそうだ。バカだった。
ほんと前代未聞よ。聞いた事ない。勇気があるとか、度胸があるとか、そういう問題じゃない。常識の範囲を超えている。
何それ、
「笑える」
「「はぁぁあ?」」
「やるじゃないルフィくん」
「おう!」
「何が笑えるよ!全然笑えない!!!そのせいで私たちは海軍に狙われるのよ!」
ナミは気楽なAの発言に声を荒げる。
「殴ってしまったならしょうがない。それにしてもいい気味ね。精々するわ」
…なんて呑気な。
ここにいる誰もが思った。
コイツの性格は掴めない。
__さすがだ。
さすが詐欺師。
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れ(プロフ) - とってもおもしろいです!これからも楽しみにしてます、、!頑張ってください! (2020年8月1日 3時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - 名無し34187号さん» わざわざコメントありがとうございますTT。嬉しいです(^ ^)これからも更新頑張りますね!! (2019年12月10日 14時) (レス) id: 7be676ba1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し34187号(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです泣。相変わらずの文才で、内容までめちゃくちゃ面白いです!!これからも更新楽しみにしています! (2019年12月10日 14時) (レス) id: 00aa3bdea9 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 1番か4番がみてみたいです! これからも頑張ってください!! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 33ef8a9a51 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - θ屬見てみたいです!! (2019年6月3日 6時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉 | 作成日時:2019年5月26日 19時