◇2415. 茨の揺り籠 ページ6
オルト.
寮内の監視カメラから、外へ。
メインストリート、グレート・セブンの像が映るカメラへと移行する。
そして僕は、その光景に驚愕する。
オルト〈！？ ……なんだ、これ〉
学園中が茨に覆われていた。
まるで、茨に閉じ込められているようだ。
そして、カメラの映像に映る程濃いブロットの霧。
その光景を見た瞬間、僕は数秒ほど動けなかった。
なんだろう、この感覚は。
身体全体が一気に冷却されたような。
…………ああ、これが��恐怖��というやつか。
機体に入っていたら、呼吸と同じ役割を果たす機構が壊れそうになっていたかも。
待って、学園がこんな状態になっているとなると、
オルト〈……まさか、学園の外も？〉
賢者の島に取り付けられた監視カメラを全てハックし、町の方へ。
麓の町の住宅街の映像には、外だというのに眠る人が。
クレーンポートも船の上で眠る人が。
嫌だ嫌だ。待って待って。
ここまでくると、さすがの僕でも��焦る��よ。
意を決してロイヤルソードアカデミーの監視カメラもハック。
生徒も、教師も、所構わず眠っている。
……嘘、だあ
僕は兄さんの部屋へと戻り、監視カメラの映像を茫然と見ていた。
オルト〈ナイトレイブンカレッジ内だけじゃない……賢者の島のヒトが全員……ううん。動物や……虫や魚まで、全部の生き物が眠っちゃってる〉
起きているのは、僕だけ……？
オルト「(一瞬で島全体を支配下に……信じられない。 チートってレベルじゃないよ)」
あり得ない。
あり得ないよ。
こんな、対抗できるわけが……。
オルト「(とにかく、島の外に出なきゃ)」
まずは海底ケーブルで黎明の国の局舎を経由して、��S.T.Y.X��まで僕のデータを届けよう。
オルト〈待ってて、兄さん！〉
未だに眠っている兄さんにそう言って、僕は目を瞑る。
……。
よし、そろそろ��S.T.Y.X��に移動できたかな。
僕は目を開ける。
オルト〈＿＿あれっ？〉
目を開けるとそこは、��S.T.Y.X��の管制室ではなく、兄さんの部屋だった。
僕、島の外に出ようとしていたのに、なんで兄さんの部屋に戻ってきてるの？
オルト〈もう１度……！〉
目を閉じ、転送する。
オルト〈うわっ！〉
そして何かに跳ね返され、再び部屋へと戻された。
……今のでわかった。
.
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冬雪(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。こういうコメントが自分の励みになり、続けることができています。応援、ただ嬉しいです。更新頻度が落ちていますが頑張ります。 (4月21日 21時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
もも - コメント失礼させていただきます。こんな長編は初めて見たので更新がこんなに長く続けられることに驚いてます！天才じゃんと驚きました！1から読んでみます！応援させてください！この作品が楽しみです！ (4月21日 13時) (レス) @page8 id: 9438123b46 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 72さん» コメントありがとうございます。励みになります。頑張ります (2月13日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
72 - やっと追いつけました！！最初のお話からなにこれすご。えっ天才じゃんと思いながら読んでいます。こんなに長く続編があると私としては凄く楽しみになっています。これからも大変かもしれませんが頑張ってください。 (2月13日 15時) (レス) @page22 id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆきっきさん» コメントありがとうございます。オリキャラに解釈一致はとてもよかったです (12月31日 6時) (レス) @page13 id: ff98c35051 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年11月13日 0時
