◇2440. 新しい自分 ページ31
Ｎｏ ｓａｉｄ.
オルト〈それで、母さんは？〉
「あれからずっと第１ラボに籠ったままだ」
オルト〈それって……〉
「こらあああ〜！！ オルくん！！」
不意に管制室の扉が開かれたと同時に、天真爛漫な部屋に響いた。
彼らの前に姿を現したヘルメットの女はぷんすこと怒りながら腕をぶんぶんと振っている。
「ママ、お話はちゃんと最後まで聞きなさいっていつも言ってるでしょ！ しかも親を脅すようなことまで言って。悪い子！」
オルト〈えぇっと……ごめんなさい〉
「今ホログラム状態じゃなかったら、お尻ぺんぺんの刑だったんだぞっ！
でも、ちゃんと謝れたのは偉いわ。 素直でよろしい！
……よく戻ってきてくれたわね。 まずは、あなたが無事でよかった」
「おかえり、オルくん」
母親らしい声色に、オルト・シュラウドは瞳を細めた。
〈……うん。ただいま〉
「さ、準備はできてるわよ」
〈えっ？ それって、もしかして……〉
「だって、嘆きの島が水浸しにされたら困るもの。
第１ラボのメインフレームまでいらっしゃい」
ヘルメットの女にそう促され、オルト・シュラウドは頷く。
自身の意識を再び電子の海へと潜らせ、��S.T.Y.X.��内を駆け巡る。 指定された場所で目を覚ませば、そこにあったものに、彼は目を張らせ、輝かせる。
暫くして、ヘルメットの女とヘルメットの男が合流すれば、オルト・シュラウドは彼らに子供のような期待した眼差しを向けた。
〈父さん、母さん！ これは……！〉
「魔法領域内における戦闘。
そして領域支配によるシステム汚染防衛に特化した、対魔法災害特化型ギア。
名付けて、��ケルベロス・ギア��！」
そこにあったのは、オルト・シュラウドの姿だった。
姿といっても身体だけで、中身は空っぽだ。
そしてさらに普段のオルト・シュラウドとは違う箇所がある。 それは��オルト・シュラウド��の身体が身につけている��スーツ��だ。
普段身につけている��アーキタイプ・ギア��
寮服として用意された��イグニハイド・ギア��
そして、ナイトレイブンカレッジの生徒として用意された��カレッジ・ギア��
それらとは違う。
彼らの目の前にあるのは、だれも目にしたことがない��新しいORTHO��だった。
オルト〈すごいや……たった４８時間でこれを？」
無機質な瞳は新しい自分を映している。
素敵な贈り物に、心臓部の炎が柔く揺らめいた。
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冬雪(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。こういうコメントが自分の励みになり、続けることができています。応援、ただ嬉しいです。更新頻度が落ちていますが頑張ります。 (4月21日 21時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
もも - コメント失礼させていただきます。こんな長編は初めて見たので更新がこんなに長く続けられることに驚いてます！天才じゃんと驚きました！1から読んでみます！応援させてください！この作品が楽しみです！ (4月21日 13時) (レス) @page8 id: 9438123b46 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 72さん» コメントありがとうございます。励みになります。頑張ります (2月13日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
72 - やっと追いつけました！！最初のお話からなにこれすご。えっ天才じゃんと思いながら読んでいます。こんなに長く続編があると私としては凄く楽しみになっています。これからも大変かもしれませんが頑張ってください。 (2月13日 15時) (レス) @page22 id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆきっきさん» コメントありがとうございます。オリキャラに解釈一致はとてもよかったです (12月31日 6時) (レス) @page13 id: ff98c35051 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年11月13日 0時
