◇2437. 宿命 ページ28
Ｎｏ ｓａｉｄ.
オルト〈その調査、僕に行かせて〉
「えっ！？」
「えっ！？」
オルト・シュラウドの言葉に驚愕したヘルメットの男と女は口を揃えて声を発する。
オルト〈僕は現時点で世界最高の自律型ＡＩ。的確に状況を判断し、領域内部から情報を持ち帰ることができる。
マレウスさんは、災害級の魔法を使えるすごい妖精だ。 でも……、〉
オルト・シュラウドは、��S.T.Y.X.��の所長といわれる人間と、主任といわれる人間に。
��父親��というべき人と、��母親��というべき人に、まっすぐその無機質な瞳を向けたのだ。
オルト〈僕は妖精が干渉できる��自然��の摂理から外された存在。��天才��が、ヒトが生み出した、科学の申し子。
だからギアの心臓部である魔導リアクターさえ停止しなければ、僕の意識はマレウス・ドラコニアさんの魔法にだって書き換えられやしない。
その証拠に、こうして僕は領域内からの脱出に成功している。 そうでしょう？〉
リスクは限りなく大に近い。
１度は消えかけたこの��命��。
伸ばされた手でさえも、自ら拒んだ。
けれどそれは許されなかった。
許してもらえなかった。
��オルト・シュラウド��という無機質な存在が消えてしまうだけで、泣いてしまう人がいたから。
泣いてくれる人がいてくれたから。
だから、��オルト・シュラウド��はその目を開いた。
絶対に無駄にはしない。
絶対に無駄にしたくない。
これは宿命なんだ。
これは必然なんだ。
これは、僕にしかできないことなんだ。
オルト〈でも今あるギアじゃ、あのエネルギーフィールド内では活動できない。
だから、母さん。僕に新しいギアをちょうだい。
マレウスさんの支配する領域内でも活動できるギアを！〉
��オルト・シュラウド��はもう１度、兄さんに会いたい。
��オルト・シュラウド��は、ただただまた友達と遊びたい。
��オルト・シュラウド��は、あの子の笑った顔が見たい。
オルト「(そのためなら、僕はなんだってやり遂げてみせるし、頑張りたい)」
これも所謂��心��というものでしょう？
そうだ。そうに違いない。
「そんなの危険すぎる！ まだエネルギーフィールドを構成する要素の解析すらできていないのに。 たとえ突入できたとしても、無事に戻ってこられるかわからない。 もしデータを転送する間もなくコアを破壊されたら、オルくんだって……！」
.
◇2438. あの人なら、そうした→←◇2436. 人間と妖精
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冬雪(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。こういうコメントが自分の励みになり、続けることができています。応援、ただ嬉しいです。更新頻度が落ちていますが頑張ります。 (4月21日 21時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
もも - コメント失礼させていただきます。こんな長編は初めて見たので更新がこんなに長く続けられることに驚いてます！天才じゃんと驚きました！1から読んでみます！応援させてください！この作品が楽しみです！ (4月21日 13時) (レス) @page8 id: 9438123b46 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 72さん» コメントありがとうございます。励みになります。頑張ります (2月13日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
72 - やっと追いつけました！！最初のお話からなにこれすご。えっ天才じゃんと思いながら読んでいます。こんなに長く続編があると私としては凄く楽しみになっています。これからも大変かもしれませんが頑張ってください。 (2月13日 15時) (レス) @page22 id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆきっきさん» コメントありがとうございます。オリキャラに解釈一致はとてもよかったです (12月31日 6時) (レス) @page13 id: ff98c35051 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年11月13日 0時
