◇2434. 君は優しい人なのに、 ページ25
Ｎｏ ｓａｉｄ.
オルト〈現在領域内に存在する生命体はすべて、睡眠状態にあるよ〉
「…………ねえ、オルくん。 音声データの中に女の子の声も聞こえたわ。 もしかして、Aちゃんとイヴちゃんも……」
オルト〈…………イヴさんは、他のみんなと同じように眠ったと思う。 けど、Aさんは……マレウス・ドラコニアさんに��仮死状態��にさせられてしまったんだ〉
「！」
「！」
オルト・シュラウドの言葉に、ヘルメットの男とヘルメットの女は揺らぐ。
あの時＿＿＿＿＿
茨の棘がAに食い込み、彼女の身体は毒に侵された。
そして一瞬、ほんの一瞬、彼女の心臓は停止した。
その瞬間をオルト・シュラウドは感知し、情報として読み取った。
ここまでであれば、誰もがAが死んだと思えるだろう。
しかし、そうではなかった。
Aは毒に侵され、心肺停止。
その直後、彼女の身体は凍結した。
おそらく、マレウス・ドラコニアが施したのだろう。
けれど、マレウス・ドラコニアさんはAを本当に殺そうとはしていなかった。
彼女を眠らせるためには、そうするしかなかった。
オルト〈マレウス・ドラコニアさんはAさんに言ってた。
やっと理解したんだって。
お前の本当の能力。そしてその特性をなって〉
「なるほど、ね。 マレウスはAちゃんの能力を理解してしまったのね。 彼女の能力の発動条件が、彼女が��起きている時��だということを」
「あの子を、他の人達のように眠らせる場合、おそらくだが拒否反応を起こすと考えたんだろうね。 あの子が魔法に抗う時点で、それはあの子にとって��有害��と断定されるだろうから」
「ただ眠らせるのはダメ。 お兄ちゃんとオルくんが集めてたAちゃんのデータを見せてもらったけれど、彼女は日に日に能力の性能が向上している。 今じゃもう魔力を本能的に感知出来るんじゃないかしら」
きっと、今の彼女なら直前に寝ていても瞬時に魔力を感知し、起きることができる。
「誤差であっても、Aちゃんは目を覚まし、マレウスの魔法を弾くことができると思う。 それを予測し、マレウスはAちゃんを１度殺したのね」
とんでもない話だ。
オルト「(……Aさんは、優しい人なのに)〉
どうして優しい人ばかりが、辛い目に遭わなきゃいけないのだろう。
オルト〈…………Aさんは、一体何者なんだろうね〉
「……きっとわかる日が来るわ」
.
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冬雪(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。こういうコメントが自分の励みになり、続けることができています。応援、ただ嬉しいです。更新頻度が落ちていますが頑張ります。 (4月21日 21時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
もも - コメント失礼させていただきます。こんな長編は初めて見たので更新がこんなに長く続けられることに驚いてます！天才じゃんと驚きました！1から読んでみます！応援させてください！この作品が楽しみです！ (4月21日 13時) (レス) @page8 id: 9438123b46 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 72さん» コメントありがとうございます。励みになります。頑張ります (2月13日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
72 - やっと追いつけました！！最初のお話からなにこれすご。えっ天才じゃんと思いながら読んでいます。こんなに長く続編があると私としては凄く楽しみになっています。これからも大変かもしれませんが頑張ってください。 (2月13日 15時) (レス) @page22 id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆきっきさん» コメントありがとうございます。オリキャラに解釈一致はとてもよかったです (12月31日 6時) (レス) @page13 id: ff98c35051 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年11月13日 0時
