◇2393. 修復困難な亀裂 ページ46
イヴ.
マズい、完全に亀裂が入ってる。
私達とセベクくんの間に。
セベク「フン。不必要なものを不必要と言ってなにが悪い。 リリア様はお優しいから、お前達のような下々の者にも礼を尽くしてくださっているだけだ。 ありがたく思え。 そして思い上がるなよ、人間！」
イヴ「(……その優しさを台無しにしてるの、セベクくんだと思うけれど)」
リリア「これ！ いい加減にせんか、セベク！」
セベク「し、しかし……むぅ……」
リリア先輩が制すと、素直に、けれどどこか釈然としない様子で静かになるセベクくん。
リリア「まったく。幼い頃からバウルによく懐いていたとは聞いていたが、本当に喋り方から考え方までお主の祖父に生き写しじゃ」
血が濃すぎる。
リリア「その若さでこうも頭が固くては、先が思いやられるぞ。
せっかく自分とは違う考えを持つ若者達と触れ合う機会を得たのだ。それを無駄にするな。お前は考えるより世界は広く、学ぶべきものは多くある。 自ら世界を狭めるでない。 よいか？」
セベク「リリア様……はい。 申し訳ありません。
そのお言葉、しかと胸に刻みます」
リリア先輩に諭され、本当に反省しているのか、親に叱られた幼い子供のような顔をしながらセベクくんは頭を下げた。
本質は素直な人なのだろうか。
様子を伺っていると、セベクくんは顔を上げ、顰めた表情で私達を見やる。
セベク「………………………………」
無言の圧。
そして、
セベク「フンッ！」
子供か。
殴りかかろうとするデュースくん、エペルくん、グリムくん。 何かしらのシステムを使おうとするオルトくんを抑え、宥め、鎮める。
エース「駄目だこりゃ。リリア先輩のお言葉を全然に心に刻めてねーじゃん」
イヴ「…………」
なんで、そんな風になっちゃったのかな。
強い人なんていないんだよ。
肉体的に強くても、精神的に強くても、みんな、種族関係なく、弱い部分があると思う。
弱いところを突かれるとね、みんな立ち直れなくなっちゃうの。
だから生き物は、その弱さを補い合うために仲間を作ったりしてるんだと思うな。
クロウリー「ヴァンルージュくん。お話し中失礼しますよ」
校長先生が、リリア先輩を呼んでいる。
リリア「学園長」
クロウリー「……迎えの馬車が来ました。 出発の時間です」
リリア「もうそんな時間か。
楽しい時はあっという間じゃな」
.
◇2394. お別れの時間→←◇2392. 始まる前の終わり
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冬雪(プロフ) - すたさん» コメントありがとうございます。最初から見てくれるの嬉しいです。頑張ります (6月11日 23時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
すた(プロフ) - うおおお！！おもろすぎて最初から見てきました！応援してます！！ (6月11日 22時) (レス) @page50 id: 547c4df5f1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 潤華さん» コメントありがとうございます。とても恐れ多いですが、すごく嬉しいです。頑張ります (5月20日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
潤華 - 冬雪さんが全占ツク作者の中で一番好きです(変に作者がずけずけ出てきたりしないし)！面白くて何回も見返してしまいます！これからも応援しています、頑張ってください✧ (5月20日 19時) (レス) id: 9876854e3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます。楽しみです。頑張ります (5月13日 6時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年3月20日 0時
