◇2389. 呼び声のような ページ42
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誰も辛い思いなんてしないように、僕は笑おう。
『もちろんです』
刹那、頭を殴られた。
いや、正確に言えば頭を殴られたような衝撃が走った。
頭に映像が流れる。
一瞬だった。
ツノが生えた、魔女だ。
『うっ……！』
リリア「！」
頭を抑える。
一瞬だというのに痛みに耐え切れず、蹌踉めく。
すると、誰かに肩を支えられた。
髪の隙間から見やれば、リリア先輩が僕の顔を覗き込んでいる。
グリム「A！？」
イヴ「Aちゃん！？ どうしたの、大丈夫！？」
どうしてだろう。
近くにいるはずなのに、イヴとグリムの声が遠い。
ああ、でも間違いない。
コレは夢だ。 数日前に見た夢だ。
リリア「……意識が混濁しているようじゃの」
グリム「A、最近ボーッとしてることが多いんだゾ」
リリア「ウチのシルバーも眠気に負けて、立ったまま寝ていることがよくあるが……ふむ。
ちと気になるな。
イヴ、今度、学園長に相談してみるがよい」
イヴ「は、はい！」
……懐かしい匂いがする。
イヴ「Aちゃん、平気？ 立てる？」
『……ん、大丈夫。 ちょっと目眩がしただけだから』
ジャック「おい、本当に大丈夫か？ 足がフラついてんぞ」
騒ぎを聞きつけたエース達が僕の顔を覗き込む。
ヤバい。
視界がボヤけてきた。
オルト「Aさん。
着席して、少し休憩をとることを推奨するよ」
エペル「うん。顔色があまりよくないみたい」
『あはは、パーティーの料理を食べすぎたかなあ』
グリム「食い過ぎか〜？
手のかかる子分なんだゾ〜」
『君に言われたくねえ……』
エース「ツッコミに覇気がねぇな」
オルトが持ってきてくれた椅子に座れば、今度は急激な眠気に襲われる。
急にどうした、僕。
リリア先輩のお別れ会の会場で体調不良とか。
場所を弁えろ、僕。
イヴだってこんなに心配してるんだぞ。
少しは頑張れ、僕。
いやあ、でも、人間ってここぞとばかりに頑張れない時ってありますよね。 大事な時なのに、変なところで失敗するとか、力が出ないとか、ね。
イヴ「Aちゃん……」
『大丈夫大丈夫。
ごめん、ちょっとだけ寝る。 ちょっとだけ寝るから、少し寝たら、また頑張れるから……』
イヴの頭を撫で、僕はそのまま瞼を閉じた。
イヴ「……Aちゃん？」
リリア「眠ってしまったようじゃな。
仕方あるまい。 そのままにしておいやれ」
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冬雪(プロフ) - すたさん» コメントありがとうございます。最初から見てくれるの嬉しいです。頑張ります (6月11日 23時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
すた(プロフ) - うおおお！！おもろすぎて最初から見てきました！応援してます！！ (6月11日 22時) (レス) @page50 id: 547c4df5f1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 潤華さん» コメントありがとうございます。とても恐れ多いですが、すごく嬉しいです。頑張ります (5月20日 21時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
潤華 - 冬雪さんが全占ツク作者の中で一番好きです(変に作者がずけずけ出てきたりしないし)！面白くて何回も見返してしまいます！これからも応援しています、頑張ってください✧ (5月20日 19時) (レス) id: 9876854e3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます。楽しみです。頑張ります (5月13日 6時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2023年3月20日 0時
