◆2297. 安息 ノ 場所 ページ45
イヴ.
『…………イヴ、怖い?』
イヴ「…………うん。 よくわからない事がたくさんあって、恐怖心を感じてる」
グリムくんがミッキーくんを見えないというのなら、エースくんやデュースくん、他の人達もミッキーくんのことを見えないと言う可能性だってある。
そうなった時、どうすればいい?
この手のつけようのない不気味な不明点を、どう補えばいい。 誰にも相談できない事を、どう抱えていけばいい。
手がかじかむ。
すると、Aちゃんが私の背中をさする。
かじかむ手を優しくその手で包む。
『もう遅いし、今日はもう寝よ』
イヴ「で、でも……」
『あはは。 君も考えていないとダメなタイプだよね。 僕もだよ。 考えていないと不安になる時がある。
僕達って、ほんとそっくりだよね』
イヴ「……」
Aちゃんは微苦笑を浮かべた。
すると、私をベッドへと方向転換させ、背中を押して進ませる。 丁寧にお布団を被せられると、Aちゃんもすぐに反対側に行ってお布団に潜る。
グリムくんの体温がすぐ傍にあるというだけでも、温かくて眠くなってしまうというのに、子供をあやすようにAちゃんが私をぽんぽん、と叩くものだから、その一定のリズムで意識がいつもより早く微睡の奥底へと堕ちそうになる。
『大丈夫。大丈夫だよ、イヴ。
君は独りじゃないよ。 僕がいるからね。 独りで全部考えなくていいからね』
イヴ「……!」
『何が不安か、何が怖いと思うのか、ちゃんと言葉にして、僕に言ってみて。 一緒に考えてあげる。 根詰まったら、周りの奴らにそれとなく聞いてみよう。 奇跡的に、僕らの周りには僕らより頭がキレる奴がたくさんいる。
ゆっくり、解っていこう』
『焦って、得られる結末なんてたかが知れているよ』
と、私を諭す。
独りじゃないと。 自分も傍にいると。
イヴ「(ああ……やっぱり)」
Aちゃんには敵わない。
私は目を閉じる。
今夜だけは、考えることを放棄して。
眠りがゆっくりとやってきた。
『……寝た?』
イヴ「…………………………」
『寝たね。 イヴは静かに寝るから時々死んでるんじゃないかって思うよ』
グリム「…………ふなぁ……オレ様の、必殺技をくらえー……」
『こいつは逆にうるさいな……。 寝言でどんな夢見ているか説明しているし。
………………』
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冬雪(プロフ) - 彼岸花さん» コメントありがとうございます。自分も個人的にリリアが好きなので、書くのが楽しみなんですけど、一体いつ終わるのやら。彼岸花さんも体調にお気をつけて (2022年12月24日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花 - 6章お疲れ様です!!段々とイヴ達の秘密がリボンのように解けて行ってますね!7章もストーリーがやっと追加されたのでどうなるか推しのディアソとどう絡むのか楽しみです。今年は寒波が激しいので体調に気をつけて良いクリスマスを✨ (2022年12月24日 11時) (レス) id: 582265c2d3 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。自分も怒涛なる滑りを人に見られたことがあるのでわかります。あさんもお気をつけて (2022年12月23日 17時) (レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 更新日変更了解しました!最近は雪が降っている地方が多く肌寒く雪で道が滑りやすくなっていますね、私は今朝滑り羞恥心に襲われたので冬雪さんもお気をつけください!それでは良いクリスマスを👍 (2022年12月23日 14時) (レス) id: 8cb660ee08 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あ、7章は次回から更新致します。 クリスマスをお楽しみにいただけると嬉しいです (2022年12月21日 4時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2022年12月3日 0時