◆2024. 「その時は聞いてくれる？」 ページ17
Ｎｏ ｓａｉｄ.
『２人もきっと、誰かに守られて、強くなった。 あの２人もあの２人で、強者の余裕を醸し出しているけど、それなりに足掻いたと思うし』
エペル「……」
壁にめり込んだ椅子をエペル・フェルミエも加勢して引っ張れば、椅子を抜くことに成功するが、２人は床に転倒する。
『あと、１人じゃなかったと思うし』
エペル「？ １人じゃなかったら強くなれるの？」
『あったりまえだよ。 人は１人じゃ強くなれないし、生きていけないんだよ』
エペル「………………」
『だから、』
Aは立ち上がる。
『一緒に強くなろうね、エペル』
エペル「……………………へ？」
『助け合おう、協力し合おう……なんて言葉、僕らには似合わないから、互いの能力を利用できるようになろう。 僕の大事な友達から教えてもらったことなんだ』
エペル・フェルミエは立ち上がる。
Aから、目を逸らさずに。
エペル「……いいの？」
『いいも悪いもないよ。 生きていくために、強くなるためには必要なことだと思うな』
エペル「一緒に……一緒に、強くなっていいの？」
Aは笑って頷いた。
『なら、イヴやグリム、エースとデュースも巻き込もうか。 それからジャックも巻き添えにしてー』と、Aは何か企むような笑みを浮かべる。
１人で、頑張らなくていい。
エペル・フェルミエにはそう言っているように思えた。
Aは、俺を置いて行かない。
一歩先にいても、ちゃんと立ち止まって待ってくれている。
ああ、ほんとにもう………………
エペル「………………………………………………好き」
『…………ごめん』
エペル「…………」
『��雷霆の槍��の充電音であんま聞こえなかった。もういっかい言って』
すぐ真横には、無機質な充電音を鳴らしながら佇む��雷霆の槍��があった。
エペル「……………………言わない。 聞き逃したAサンが悪いんだよ」
『エペルさんそんな殺生な！』
『気になって夜しか眠れないよ！』と、Aがボケれば「眠れてるじゃん！」と、エペル・フェルミエは振り向く。
エペル「もう、アダムってほんと、鈍ちんだよね。タイミングも悪いし」
『突然のディス！？』
エペル「……今のは無意識だった。
またいつか、ちゃんと言うから、その時は聞いてくれる？」
『……うん！』
にこっ、と笑うAに、エペル・フェルミエは笑い返した。
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冬雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。次回の更新は少し時間を開けてしまいますが、待ってもらえたら嬉しいです。主人公のこと大好きになってくれて嬉しいです (2022年6月22日 9時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 今回も安定に面白かったです！主人公のどんな時でも冷静で余裕溢れてる感じが大好きです。1年組の支え合って成長していくのがNRCでは新鮮で可愛いですね💕頑張れ、少年少女達！ (2022年6月22日 2時) (レス) id: 8cb660ee08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年6月13日 0時
