◆2009. 不変 ノ 気持チ ページ2
Ｎｏ ｓａｉｄ.
ヴィル「さっきアンタ達に話を聞くまで、ここに連れてこられていることすら知らなかった。 おそらく……Aとイヴを襲ったことに関してブロットによる影響を疑われていたんでしょう」
イヴ「…………」
『…………』
ヴィル「明日の朝アタシ達と一緒に出所予定だったなら、ＶＤＣ後のグリムの凶暴化とブロットの因果関係は、認められなかったのかもしれないわね」
イヴ「…………」
『…………』
Aとイヴは一瞬険しい表情を浮かべるが、若干不安気が残る笑みを溢した。
たとえ何も解決していなくても、グリムが自分達のもとへ戻ってきてくれるのなら、彼女達はなんだっていいと思ったのだ。
ルーク「グリムくんは魔獣だ。どんなに人慣れしていても、獣はふいに野生に戻ることもある。 制御しようとしてもできるものじゃない。生まれ持った本能だからね」
『でも、それって人間も同じことなんですよね？』
ルーク「その通り。理性というものは、脆く頼りない薄氷のようなものなのさ。 だからね、Aくん、イヴくん。 グリムくんがキミ達を傷つけ、襲ってしまったことは本人、いや、本獣にとっても本意ではなかった可能性が高い」
イヴ「もちろん、わかっています。 グリムくんはたしかに理性というよりも、本能の方が勝っています。 なんだったら普段から、そうなのかもしれません」
『本質は違えど、それでも僕らはグリムを迎えに行くよ。 誰が、何を言おうともね』
イヴ「この気持ちは変わりません」
Aとイヴ、そしてグリムの美しく、そして尊い友情に静かに涙を流すルーク・ハント。
それに驚くヴィル・シェーンハイトとエペル・フェルミエ。
イヴ「でも、引っ掻かれた時すごく痛かったので、一緒に学園に戻れたら、短く爪切りしてあげようかと」
エペル「アハハ！ エースクンとデュースクンから聞いたことある。 グリムクン、爪切りをすごく嫌がるって」
『そうなんだよねー。 せっかくいい感じの爪切り買ってきてもすーぐどっか行っちゃうんだよ』
『そーいえばケガ、大丈夫？』「うん。 ちゃんと治るのは結構時間がかかるって言われたんだけど、痕は残らないって」と、笑顔で答えるイヴに『そっか。よかった』と安堵の笑みを溢す。
『女の子が傷残ったら、大変だからね』と、Aはイヴの腕に視線を落とした。
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冬雪(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。次回の更新は少し時間を開けてしまいますが、待ってもらえたら嬉しいです。主人公のこと大好きになってくれて嬉しいです (2022年6月22日 9時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 今回も安定に面白かったです！主人公のどんな時でも冷静で余裕溢れてる感じが大好きです。1年組の支え合って成長していくのがNRCでは新鮮で可愛いですね💕頑張れ、少年少女達！ (2022年6月22日 2時) (レス) id: 8cb660ee08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2022年6月13日 0時
